発展型とバリエーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 06:09 UTC 版)
「ルノーB1」の記事における「発展型とバリエーション」の解説
B1 ter まだB1bisがテスト中であった1935年に計画された改良型で、“ter”は「第3の」を意味し、bisに続く改良型であることを示す。B1terは装甲厚を最大70mmまで強化、また車体に装備された75mm戦車砲SA35は、12度と限定的ではあったが左右旋回が可能となった。車体形状も若干改められ、特に垂直だった車体側面は避弾経始を考慮し、ジグザグ断面に傾斜が付けられたものとなり、上部履帯は完全にカバーされた。エンジンはより強力なルノー製の350hpのものが搭載され、砲塔も将来的にはARL 2Cが搭載される予定だった。最初の試作車は1938年5月にテストされたが、これはB1の試作車101号車を改修したもので、実際のB1terは(完成していれば)さらに外観の異なったものになっていたとされる。テストの結果ははなはだ不満なものだったが、1940年7月の完成を目処に、ARL、FCM、フィヴ・リール(fr:Fives-Lille)の3社に、それぞれ1輌ずつの試作車が追加発注された。ARL、フィヴ・リール社製のものは開戦後の混乱の中で失われ、FCM社のものは製作中だったが主要部材は隠匿され、後にARL 44の開発に利用された。 B1bis 地雷処理車(B1bis démineur) B1bisの砲塔を撤去し、車体前方に3連の地雷処理用「マルチディスク」を装着したもの。1945年時点で、フランス国土には2000万個にも達する地雷が埋設されたままになっていると考えられ、戦後の国土再建にはその処理が急務だった。そのために開発されたのがこの車輌で、マルチディスクシステムは、1940年にルノー R35軽戦車でテストされたものの拡大版だった。しかし、2、3両のB1bisがこの仕様に改修されたものの、この車輌による地雷処理過程は、農地として使用するはずの土地を無残な状態にしてしまうことが判明、車輌は間もなくお蔵入りとなった。 ARL 44 B1の設計の多くを参考にしながら、戦時中に極秘に開発が行われ、戦後すぐに製作された重戦車。足回り、車体の縦横比などにB1の面影を見ることができる。
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