田無演習林
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「東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構」の記事における「田無演習林」の解説
本演習林の総面積は9.1haで、武蔵野台地の武蔵野段丘(武蔵野面)上に位置し、海抜高約60m、地形は平坦である。地質は層厚6~8mの火山灰層(関東ローム層)の下に、砂礫層(武蔵野礫層)が続いている。土壌はローム層の上に火山灰層を母材とする黒色土が50~60cmの厚さで分布している。気象条件は年、平均気温14.8度、平均年降水量1,610mm(2001年~2010年、田無演習林観測)である。 武蔵野の森林は古来より人為が加わってきたために林相に原生的な自然要素は少ないものの、本演習林にはアカマツやコナラ、クヌギを主体として、イヌシデ、エゴノキ、ケヤキ、ミズキなどが混在しながら点在している。林内にはヌルデ、マユミ、タラノキ、ガマズミ、ツルウメモドキ、スイカズラなどの低木や蔓性植物が、また林床には草本類等が種類も豊富に保存されており、武蔵野の植物相を現出している。その他、各種の見本林(外国産マツやスギ品種、竹類など)、樹木園(約300種、針葉樹70種、広葉樹230種)、試験林(改良ポプラ、メタセコイア、シラカシなど)、採種・採穂園などを配し、これら総面積の2/3を占める樹林は今や都市林として極めて貴重な存在となっている。 田無演習林は1929年(昭和4年)に東京帝国大学農学部林学科田無苗圃(または多摩苗圃)として林学第二講座(造林学研究室)によって創設された。その淵源は1893年(明治26年)に当時帝国大学農科大学にあった駒場に設置された、林学科附設の苗圃に遡ることができる。1956年(昭和31年)に至って管理運営が林学科から演習林に委嘱され、1963年(昭和38年)には名称を田無試験地と改めて組織機構の拡充などがあり、次いで1982年(昭和57年)には用地の全域が林学科より演習林に移管された。2000年(平成12年)に農学部の大学院重点化に伴って大学院農学生命科学研究科の附属施設となる。 2011年(平成23年)に田無試験地から現在の名称である田無演習林へと改称する。
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