生態系への影響などに対する懸念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 07:31 UTC 版)
「日本熊森協会」の記事における「生態系への影響などに対する懸念」の解説
どんぐり運びの生態系に与える影響や効果が未検証であることを懸念する意見もある。 他地域のドングリや自生しないドングリ、さらにドングリに寄生するゾウムシ等の幼虫・菌類・細菌が生きたまま森林生態系に持ち込まれている。このことは、本来分布しない生物の侵入(国内外来生物)につながる可能性がある。また、同じ種が分布している場合は、他地域から持ち込まれた個体が以前から自生していた個体と入れ混じり、場合によっては交雑して、地域間の遺伝的な差異(地理的変異)を撹乱する(遺伝子撹乱または遺伝的撹乱)危険性がある。協会は2004年のどんぐり運びにおいては「集めたドングリを一昼夜水に浸してから山に置く」としていたが、この論文では、浸水処理の後も多くのドングリの発芽力が保たれ、寄生昆虫の生存率も高いことが示されている。協会は2006年・2010年のどんぐり運びでは浸水処理は行っていない。 人間の匂いのついたドングリを(時には人里近くで)食べることで、クマが人里に下りてくるのを逆に誘発し、「餌付け」と同じ効果をもたらすのではないか、という懸念がもたれている。 ブナ・ミズナラを含めた果実の豊凶は、植物にとって動物にドングリを食べ尽くされないようにする機能があるという説がある(種子捕食者飽和仮説)。
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