生態系への脅威
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/16 04:04 UTC 版)
「トンガリロ国立公園」の記事における「生態系への脅威」の解説
トンガリロ国立公園もほかの自然遺産の例に漏れず、生態系の撹乱が常に危惧されている。 トンガリロ国立公園内で、既存の生態系を脅かす代表例として、ロッジポールパイン、カルーナ属、エニシダ、鹿、ポッサム、ヤギと豚が挙げられる。 ロッジポールパインがニュージーランドに移入したのは、ヨーロッパ人が入植した時期とほぼ等しい。ヨーロッパ人は、ロッジポールパインを木材として利用することを考えていた。ロッジポールパインは、公園内のいたるところに生育しており、公園の地主及び管理者-この管理者には、自然保護省や地方公共団体、軍隊、マオリ族も含む-は、すべてのロッジポールパインを伐採、駆除することで合意しており、除去プログラムも1年単位で更新されている。 カルーナ属(ギョリュウモドキ、heather)は1910年ごろに、公園の周囲のキジやライチョウの食料として移入されたものである。狩猟のために、キジやライチョウも同時に移入されたがトンガリロ国立公園の厳しい自然環境では行きぬくことができなかった。しかし、カルーナ属だけは、生き延びることができた。現在では、公園内のいたるところに生育している。カルーナ属は、土から引き抜いたとしても、駆除と同時に種を地面に散らばらせるため、駆除が非常に難しい。そのため、1995年、スコットランドから、ヘザービートル(英語版)を導入し、駆除に乗り出している。 エニシダもまた、トンガリロ国立公園のみならず、ニュージーランド全域に移入した外来種である。エニシダを駆除するために、カルーナ属と同様に、害虫を散布することで、拡大の阻止に努めている。 鹿は、狩猟をするために、1900年代の早い時期に移入された。鹿は、公園内の森林に深刻なダメージを与えてしまった。その結果、公園内の狩猟は免許制となっている。ポッサムの移入は、毛皮のためである。ポッサムもニュージーランド全域に広がった。ポッサムを捕獲するために、毒餌や罠が試されてきたが、ポッサムの生息地である森林に開く背することは容易ではない。ポッサムも鹿、ヤギ、豚と同様に、ハンターによっての捕獲が、現状では生態系の維持のために期待されている。
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