現実の逸話の参照
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 15:58 UTC 版)
「デイズ・オブ・サンダー」の記事における「現実の逸話の参照」の解説
エド・ヒントン(英語版)によると、本作は伝記映画ではないが、主人公コール・トリクルの人物像の多くの部分は、本作の前年にエイズで死去したティム・リッチモンドの経歴と重ね合わせたものとされる。また、いくつかのシーンは現実のNASCARの伝承(英語版)やNASCARの歴史に基づいたものとされている。 ビッグ・ジョンがコールとロウディに語りかけるシーンは、現実に1980年代にビル・フランス・シニアがデイル・アーンハートとジェフ・ボーディン(英語版)との間で行った会談のシーンを元にしているし、コールが意図的にエンジンをオーバーレブさせてエンジンブローを起こすシーンは、ティム・リッチモンドが1987年シーズン(英語版)のチャンピオン・スパークプラグ400(現:ピュアミシガン400(英語版))で行った事件に基づいている。 別のシーンでは、コールがピットクルーから「アイスクリームを食べているのでピットインできない」と言われるが、この事件は1987年のサウザン500(英語版)で、ヘンドリック・モータースポーツのクルーチーフであったハリー・ハイドと、当時エイズの療養で戦線を離脱していたティム・リッチモンドの代役として起用されたベニー・パーソンズ(英語版)との間で起きた事件を元にしている。また、作中にインスパイアされた事件の一つとして、マーティンズビル・スピードウェイでハイドが慣れないショートオーバルに苦しむパーソンズに皮肉を込めて言い放った「リスタートの直後にペースカーに追突してみろ! 今日お前はトラック上のあらゆるモノに激突したと愚痴ってるが、まだペースカーが残っているだろうが!」という無線通信も参考にされているという。 また作中、コールとロウディが互いのレンタカーをぶつけ合って破壊しながら競争するシーンは、1950年代にジョー・ウェザリー(英語版)とカーチス・ターナー(英語版)の間で起きた事件が元となっている。 作中のデイトナ500では、ハリーはコールに対して「エンジン交換の必要がある」と述べ、コールに「そのエンジンはどうしたんだ」と聞き返された際に、ハリーは「盗んできた」と答えるが、実際にはそのエンジンは前オーナーのティムから送られた物である事が示唆される。後日これと類似した話が現実に発生している。1990年シーズンはデイル・アーンハート(リチャード・チルドレス・レーシング、シボレー・ルミナ)とマーク・マーティン(英語版)(ラウシュ・レーシング、フォード・サンダーバード)が僅差でドライバーズタイトルを争っており、決着は最終戦のアトランタ・ジャーナル(英語版)500(現:フォールズ・オブ・オナー・クイックトリップ500(英語版))にもつれ込んだ。マーティンの車のセッティング状態が思わしくないと見た同じフォード系のイエーツ・レーシング(英語版)を率いるロバート・イエーツ(英語版)は、テスト走行の際に同チームのデイビー・アリソン(英語版)の車両をマーティンに貸し出した。フォードの勝利を願っていたイエーツはレースでもマーティン車をチームを挙げて支援したが、ポイントスタンディングではマーティンは26ポイント差でアーンハートに敗れ去った。マーティンはシーズン序盤のデイトナ500でキャブレターに1/2インチのスペーサーを挟んでいた為に-46ポイントのペナルティを受けており、これによりアーンハートの最終戦での逆転を許してしまったのである。
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