現品の角
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 14:45 UTC 版)
1802年5月2日、金細工職人で時計職人のニールス・ハイデンライヒは合鍵を作って収蔵場所に侵入し、2本の角を盗んで家に持ち帰るとすぐに溶かし地金にしてしまった。翌日には角の盗難が明らかになり、手がかりを求める広告が新聞各紙に掲載され広告費用に1,000リッダレが費やされた。 金細工職人のギルドの大親方アンドレアス・ホルムは、ハイデンライヒが真鍮を混ぜて質を落とした金で「パゴダ」(pagoda)と呼ばれる神々をモチーフとしたインドのコインを偽造しホルムに売ろうとしたときから、ハイデンライヒがこの盗難事件に関わっているのではないかと疑っていた。そして仕事仲間とハイデンライヒの行動を見張り、彼が町の堀に偽造コインの刻印を捨てるのを目撃した。1803年4月27日ハイデンライヒは逮捕された。彼は4月30日に犯行を自供、同年6月10日に有罪の判決が下された。彼は1840年まで刑務所に収容され釈放の4年後に死亡した。彼から角を改鋳して作ったコインを買った人々はそれを博物館に返還したが、それらのコインが後に制作された複製品に使われることはなかった。 ローマの枢機卿のためにオリジナルから型取りした石膏像も作られていたが、それらはコルシカ島で船が座礁した際に失われていた為、おおよその外観を復元した複製がスケッチを元に作られた。冒頭の写真にある一番新しい複製は1980年に作られたものである。
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