玉津石垣市教育長の教科書採択問題の認識と改革
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「八重山教科書問題」の記事における「玉津石垣市教育長の教科書採択問題の認識と改革」の解説
2011年5月頃、八重山地区採択地区協議会(以下:協議会)の会長でもあった玉津石垣市教育長は2010年の小学校教科書採択資料を調べた。規則では教員である調査員が教科書の中身に協議会に報告した上で、協議会が教科書を審議して選定・採択することになっているが、実際には「協議会の会議録が存在しない」「採択調査委員という肩書きや調査員が答申すると読める文言など規約に逸脱する文言があり、教員に事実上教科書選定の決定権者のような文言がある」等と、調査員が事実上教科書を決定する一方で協議会の審議が形骸化していることが明らかになった。 玉津は協議会で「協議会の委員の入れ替え」「教科書の順位付けと1種絞り込みの廃止」という2つの改革を行った。 協議会の委員の入れ替え これまでは3市町の教育長(3人)、3市町教育委員会の担当課長(3人)、補助職員(2人)、PTA代表の計9人だった。そのうち3人の担当課長は学校現場から教育委員会に出向していた教員で任期が切れると学校現場に戻るため、従来の協議会は組織上の教員の影響力が極めて強かった。また多忙で教科書を読む時間がない事務方である補助職員が委員となっていたことも問題視された。 代わりに提案した委員構成は3市町の教育長(3人)、3市町教育委員代表(3人)、学識経験者、PTA代表の計8人だった。調査員の意見に拘束されずに自分の判断で教科書を選定できる人材を委員として配置することを目的としたものであった。 教科書の順位付けと1種絞り込みの廃止 調査委員が従来行っていた教科書の順位付けと1種絞り込みを廃止した。調査委員の順位付けに従えばよいと言う安易な意識は捨て、委員自らの責任で教科書を選ぶことを目的とした。 1989年の文部省通知に「教職員の投票によって採択教科書が決定される等、採択権者の責任が不明瞭になることのないよう、採択手続きの適正化を図る」とあり、玉津は調査員の順位付けと1種絞り込みが該当すると解釈した。 玉津は代わりに調査員に「現在の教科書の感想」「推薦したい教科書」「特徴のある教科書」をそれぞれ複数書かせたうえ、八重山の地域性等の観点から、調査員が各社の教科書をどう評価したか独自に書く欄を設けた。
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