無機塩類化合物に由来するもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 01:03 UTC 版)
「入浴剤」の記事における「無機塩類化合物に由来するもの」の解説
日本国内における最も一般的な入浴剤で、温泉成分を構成する物質のうち、安全性が高く品質が安定しているものを基材に選んだもので、昭和初期に登場した。登場した当初、多くの人は銭湯に通っていて自宅の風呂を持っていなかったため、主に公衆浴場向けの商品であった。1960年代の高度経済成長期から風呂付きの公団住宅が増え、自宅に風呂が普及し始め、1980年になると、健康志向の高まりを受けて入浴剤市場が急拡大した。この頃から、炭酸ガス系入浴剤や温泉タイプの入浴剤、スキンケアを謳う入浴剤が発売された。 入浴剤の剤形は、粉末タイプと錠剤タイプが市場の8割強を占める。家庭向けに出回っている粉末タイプの入浴剤の主な成分は、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタンなどである。特に、塩類は肌のたんぱく質と結合して膜を形成して熱の放熱を防ぎ、入用語の保温効果が高まるとされる。炭酸ナトリウムを配合した製品は、湯に溶かした際に二酸化炭素を発生して泡立つ。そのほか、肌をなめらかにする美容効果や保温効果、健康を増進する目的で、酵素や植物エキスを配合したものが多数発売されている。 一部の製品はよく知られた温泉の名称を使っているが、その名称はあくまでイメージ的なものであり、成分とは関係がない(入浴剤のパッケージなどにも『温泉の湯を再現したものではない』などと但し書きされている)。入浴剤で温泉を再現すると成分に含まれる硫黄により風呂釜を傷めてしまうため、ほとんど使用不可能である。また製品の中には、主成分に関しては全く同じで着色料と香料だけを変化させているものもある。その色や香りも製品に使われている温泉とは全く無関係である。 無機塩類化合物に由来する入浴剤は、個人で作ることもできる。硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムの粉末を入手し、エッセンシャルオイルなどを自分好みに調合することでオリジナルの入浴剤が出来る。
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