準天頂衛星システムの代替案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:59 UTC 版)
「準天頂衛星システム」の記事における「準天頂衛星システムの代替案」の解説
一方で、ロシアのGLONASS、欧州のガリレオ、中国の北斗と、他国の航法衛星数が増加しつつあり、各国の航法衛星コンステレーション統合運用ができれば可視衛星数を2倍・3倍にできるようになり測位が不可能となる状況は大きく減少し、加えて高仰角という準天頂衛星のメリットも減殺される意見もあるが、前述の通りグローバル・コンステレーションは様々な大国や国家連合の軍事的・政治的意図や各システム自体の永続的安定性も絡むため、特定の系統に依存するのは、衛星航法システムとしての永続的安定性を損なうと言う意見もある。またQZSSもそうであるが、GPS以外のGLONASS・ガリレオ・北斗も、2000 - 2020年代にかけて漸次構築中、精度向上中である。またcm級測位に必要な補正情報を民間に無償で配信(日本国内限定)しているのは現状QZSSだけである。 またGPS補正に関しては、現在でも地上局からの補正を併用するDGPSや、静止衛星からGPSの補完・補強を行うWAAS(英語版)やMSAS、EGNOSというプロジェクトも実用化されており、特にMSASは日本が打ち上げたひまわり6・7号により行われるGPS補強システムであるが、例としてMSASは航空機向けのディファレンシャルGPS機能を提供し精度は数メートル程度に留まる。またMSASに使用される衛星のうち2016年末にMTSAT-1Rが運用を終了、残る1機のMTSAT-2だけで運用しておりMSAS自体サービス縮小の方向でもあり、2020年頃から代替としてQZSSの静止軌道衛星からGPS補強システムとして配信する予定である。 人工衛星から直接電波が届かず測位できない地下街や屋内での測位を可能とするために、GPSの信号を中継する機器をビルの屋上に設置することで、ビルの谷間でも測位を可能とするスードライト(疑似衛星)が現在研究されている。準天頂衛星システム自身においても、地上補完システムとしてIndoor MEssaging System (IMES) が考案され、衛星の電波が届かない屋内や地下街は、IMES送信機によって補完するようにIS-QZSSの仕様書で提案されている。
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