流れの可視化手法の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:29 UTC 版)
煙 気流中に煙を流して速度場を観察する。煙の観察に特化した風洞は煙風洞と呼ばれる。類似の手法として水槽中に染料を流す方法もある。 シャボン玉 ヘリウムなど空気よりも低密度の気体を利用して、平均密度が空気と等しい泡(シャボン玉)を大量に作り、そこに物体を通過させることで、速度場を観察する。たとえば、鳥の飛行の研究に使われた例がある。 タフト 気流中に一端を固定した糸(タフト tuft)を一本または複数設置し、速度場を観察する。たとえば航空機の表面などに設置される。 ピトー管トラバース ピトー管(ピトー静圧管)により空間上の一点の速度と圧力が求まる。ピトー管の位置を次々と変えることで空間的な速度分布を求めることができるが、流れが時間的に変化する非定常流れへの適用には困難もある。境界層の速度分布測定用などに、複数のピトー管を束ねた装置も存在する。 粒子画像流速測定法 (PIV, particle image velocimetry) 流れに追随する微小な粒子(粉末・油など)を気流中に散布し、レーザーシートを照射する。粒子が反射した光から得た画像をコンピュータで解析して速度場を得る。二次元面内の定量的な速度情報を一度に(トラバースの必要なく)得られ、空間解像度も高いため、低速から亜音速、あるいは超音速の流れ場にしばしば適用される。狭義には2時刻の粒子画像の相関から速度場を求めるものをPIVと呼び、個々の粒子を追跡する手法はPTV (particle tracking velocimetry) と呼んで区別することがある。一般にはレーザーシート面内方向の速度成分しか得られないが、面外方向成分を得られるステレオPIVなどの各種手法が開発されている。 LIDAR(ライダ) シャドウグラフ法 シュリーレン法 感圧塗料 (PSP, pressure-sensitive paint) 流れそのものの可視化ではないが、風洞内に置いた物体の表面圧力の可視化などに使われる。 煙による翼端渦の可視化例。ロッキード L-1011の翼端から煙を放出している 煙による翼端渦の可視化例。地面に置かれた色つきの煙を農業機が巻き上げている 水槽実験の様子。F/A-18の1/48模型表面の流れを、染料により可視化している F/A-18実験機による飛行試験。機首付近からは煙が流され、垂直尾翼にはタフトが張られている タフトによる速度場の可視化例。KC-135Aのウィングレットに複数のタフトが張られている 数値流体力学における可視化例。大気圏再突入の際のスペースシャトルまわりの流れの可視化
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