江滬-IV型 / 053H1Q型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 06:23 UTC 版)
「江滬型フリゲート」の記事における「江滬-IV型 / 053H1Q型」の解説
江滬-IV型(053H1Q型)は、江滬-I型(053H1型)の5番艦であった「四平」(#544)を改装した試験艦であり、従って、本型に属するのは同艦の1隻のみである。当初は江滬-II型と称されていた。 本型は、西側諸国から導入した新装備を実艦に搭載し、運用試験を実施するために開発された。本型で導入された新装備の主たるものは下記のとおりである。 フランス クルーゾ・ロワール社製 T100C 100mm55口径コンパクト砲、およびNAJA光学射撃指揮装置100mm55口径コンパクト砲は、フランス海軍が従来使用してきた1968-11型100mm単装砲をあらゆる面で上回る性能を有していたが、結局本国では採用されず、主として輸出に供された。中国は、この砲の最大のカスタマーである。 フランス製 DUBA-25(あるいはその中国版であるSJD-7)ソナー・システム、7826型水中攻撃指揮装置DUBA-25はフランス海軍のデチエンヌ・ドルヴ級通報艦に搭載されたもので、36個のステーヴを直径115 cmのシリンダー状に配置しており、使用する周波数は8~10 kHzの中周波数、それぞれのステーヴが形成するビームの幅は10度で、周波数変調連続波 (FM-CW)方式、パルス幅は30ないし90ミリ秒である。 イタリア製 B515型 324mm短魚雷3連装発射管およびA244/S短魚雷B515型 324mm短魚雷3連装発射管はアメリカのMk 32 短魚雷発射管、A244/S短魚雷はMk 46 短魚雷におおむね匹敵する。 Z-9C 哨戒ヘリコプター、格納庫、および着艦拘束装置(ハープーン・グリッド・システム)ただし、既存の艦を改装して航空艤装を施した関係で、格納庫の位置が高くなり、重心の上昇を招いて艦の安定性を損なうという問題があった。 これらの装備は、本型で運用試験を受けたのち、艦載ヘリコプターについては江衛-I型(053H2G型)から、SJD-7ソナーと短魚雷については江衛-II型(053H3型)から実用化された。また、100mm55口径コンパクト砲は、052B型駆逐艦(旅洋-I型)以降の全ての中国製駆逐艦、および054型フリゲートに搭載されている。 このように優れた対潜戦闘能力を備えていたことから、運用試験の終了後、本型は中国海軍でもっとも優れた対潜フリゲートとして活躍し、「中華反潜第一艦」(中国初の対潜艦艇)とも称された。 艦番号艦名就役退役備考544 旅順(Lushun) 1985年12月24日 2019年9月4日 旧名「四平」(Siping)2010年に、戦闘部隊から海軍訓練学校(大連)に転属し「旅順」に改称した。
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