水とずりの処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 07:11 UTC 版)
六甲トンネル東側の湧水のうち、1日3,000トン分を芦屋斜坑から揚水して芦屋市の上水道に利用している。また1日10,000トン分を東側坑口に流して西宮市の上水道に利用している。六甲トンネル西側の湧水は1分あたり6トンを新神戸駅付近へ流して神戸市の上水道に利用している。 六甲トンネルの海側は、灘五郷と呼ばれ日本酒の名産地である。この酒造には、宮水と呼ばれる地下水が重要な役割を果たしており、トンネルの工事により地下水量に影響を与えることが懸念された。そこで国鉄と灘五郷酒造組合が合同で山陽新幹線六甲ずい道地下水調査委員会を結成し、地下水の水源である河川の流量および観測用の井戸の水位を随時計測して影響の評価を行った。その結果、トンネル工事による酒造用地下水への影響はなかったと評価された。 トンネルの残土(ずり)の処理は、工事現場が市街地に近いために困難が多かった。市街地内のダンプカーの通行を許されなかったという理由もあった。芦屋工区より東の工区では、風致、砂防、河川、森林などの法規制の協議を経て、主に山間部に残土処分を行った。鶴甲工区より西側の工区では、市街地内の道路を通じて神戸市の埋立地に運んで処分を行ったが、一部は海上輸送で当時建設中のポートアイランドの埋め立てに用いた。
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