歴史、背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 05:06 UTC 版)
「ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァの3柱が単一の神聖な存在から顕現する、それぞれ創造、維持、破壊という別の機能を有する3つの様相である」とするトリムールティの理論は、ヴェーダの時代以降、すなわち紀元前500年以降に定着したと考えられている。しかしブラフマン(至高の存在、宇宙の根本原理)が3つの様相を持つというアイデア、神々を3つのグループに大別するというアイデア、神が全て同一であるとするアイデアなど、トリムールティ理論の要素はヒンドゥー哲学の中に古くから存在する。 ヤン・ホンダはリグ・ヴェーダ時代(およそ紀元前1700-1100年)、すなわちヒンドゥー教(バラモン教)の最も古い時代の最高神、火の神アグニの持つ3つの性格からトリムールティが発展したのではないかとしている。アグニはリグ・ヴェーダでは3つの体と地位を持つとされ、地上では火として、大気では雷として、空では太陽としてヴェーダの世界に存在した。 神々に火、大気、太陽を、そこから発展して地上、大気(または水)、天界を代表させるという考え方はヴェーダ時代(およそ紀元前1500-500年)の早い段階から存在し、例えばそれはヴェーダ初期にはアグニ、ヴァーユ(風)、アーディティヤ(Aditya太陽)であったり、アグニ、インドラ(雷)、スーリヤ(太陽)であったりと様々な文献で別々の神々の組み合わせが見られる。後にトリムールティの3神となるブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァはそれぞれ、アグニ、スーリヤ、インドラから発展したとも考えられており、この見方をするとトリムールティの3神も地、天、大気を象徴する神々という分類ができる。
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