欧州での事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 01:26 UTC 版)
「気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式」の記事における「欧州での事例」の解説
欧州では短編成で運用される気動車を中心に採用されて1930年代頃からは優等列車にも使用されており、特にイギリスやイタリアでは1970-1980年代まで製造が続けられていた。 イギリスでは1970年代には一般型気動車の大半が総括制御機能を持つ機械式で占められていて付随車や制御車も組み込んだ編成で運転されていた。 イタリアにおいては、1930年代にリットリナと呼ばれる車体長15-22m級で定格出力85-110kWの機関を1-2基と電磁空気制御式変速機を台車上に搭載した気動車がイタリア国鉄を中心に1000両近く導入されており、1933年には1両2機関搭載の形式が、1937年には重連総括制御可能な形式が実用化されている。第二次世界大戦直前に後述の液体式気動車が実用化された後も、これと並行して機械式気動車も1980年代まで製造されており、国際列車TEE用のALn442-448は2両固定編成で、定格出力360kWの機関と電磁油圧制御遊星歯車式5段変速機を1両あたり1式搭載していた。 ドイツにおいては1920年代に台車上に機関と電磁制御式変速機を搭載するパワートラック方式の機械式気動車が実用化され、1937年製のNEB(Niederbarnimer Eisenbahn)のT4型などでは速度信号と電磁弁による全自動変速装置が実用化されている。第二次世界大戦後は液体式が主流となったが、国鉄レールバス キハ10000・10200(キハ01-03形)形の手本となった西ドイツのレールバスなどは総括制御機能のついた機械式となっており、その代表的な形式であるVT98型は定格出力110kWの機関を2基と遠隔制御式5段変速機2組を搭載しており、付随車・制御車の牽引も可能であった。 スイスでは、1937年製で、定格出力213kWのディーゼルエンジンに電磁空気式5段変速機、歯車式の2軸駆動台車を採用したRCm2/4形や、1927年製で、定格出力110kWのディーゼル機関と電磁空気式4段変速機を採用した全長11mの小型ラック式気動車であるフルカ・オーバーアルプ鉄道のBChm2/2形が製造されているが、電化の進展により本線用の気動車の製造例は少ない。
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