次数 3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/12/29 03:50 UTC 版)
VIII 型と IX 型を除くすべての 3-次元リー代数は、R2 と R との半直積として構成することができる。ここに R は 2 × 2 の正方行列 M により R2 上へ作用する。リー代数の分類の型の違いは、行列 M の種類の違いであり、これらの型別の違いを以下にあげる。 I型: 可換であるが、ユニモジュラなリー代数 R3 である。単純連結な群は中心 R3 と外部自己同型群 GL3(R) を持っている。これは M が 0 の場合である。 II型: べき零でユニモジュラ、ハイゼンベルク代数(英語版)(Heisenberg algebra)である。単純連結な群は中心 R と外部自己同型群 GL2(R) を持っている。この場合は M がべき零であるが、0 ではない(固有値がすべて 0)。 III型: 可解であるが、ユニモジュラではない。この代数は、R と 2-次元の非可換リー代数である。(固有値がひとつで 0 であれば、VI型の場合に限られる。)単連結群は中心 R と非零な実数の群の外部自己同型を持っている。行列 M はひとつの 0 とひとつの非零な固有値を持っている。 IV型: 可解であるがユニモジュラではない。 [y, z] = 0, [x, y] = y, [x, z] = y + z である。単連結群は自明な中心と実数とオーダー 2 の群の積である外部自己同型群を持っている。行列 M は 2つの同じ固有値を持つが、半単純ではない。 V型: 可解であるがユニモジュラではない。 [y, z] = 0, [x, y] = y, [x, z] = z である。(VI型のひとつの極限であり、双方の固有値が等しい。)単連結群は自明な中心と行列式が +1 か -1 の GL2(R) の元である外部自己同型群を持っている。行列 M は 2つの同じ固有値を持ち、半単純である。 VI型: 可解であるが、ユニモジュラではない。無限個の族。R2 と R の半直積で、そこでは行列 M は非零な和をもつ異なる複数個の実固有値を持つ。単連結群は自明な中心と非零な実数と位数 2 の群の積である外部自己同型群を持つ。 VI0型: 可解でユニモジュラ。このリー代数は、R2 と R の半直積で、R では行列 M が非零の複数の実固有値で和が 0 の固有値を持つ。この型は、2-次元ミンコフスキー空間の等長群のリー代数。単連結群は自明な中心と正の実数と位数 8 の二面体群の席である外部自己同型群の積である。 VII型: 可解でありユニモジュラではない。無限個の族。R2 と R の半直積。そこでは行列 M は実数でも純虚数でもない固有値を持つ。単連結群は自明な中心と非零の実数である外部自己同型群を持つ。 VII0型: 可解でユニモジュラ。R2 と R の半直積。そこでは行列 M は零ではない虚数の固有値を持つ。これは平面の等長群のリー代数である。単連結群は、中心 Z と非零な実数と位数 2 の群の外部自己同型群を持つ。 VIII型: 半単純で、ユニモジュラ。トレースをもたない 2 × 2 の行列のリー代数 sl2(R)。単連結な群は中心 Z と位数 2 の外部自己同型群を持つ。 IX型: 半単純でユニモジュラ。直交群 O3(R) のリー代数。単連結群は位数 2 の中心と自明な外部自己同型群をもち、スピン群である。 3-次元複素リー代数の分類は、VIII型を除き同様であり、IX型は同型となり、VI型と VII型は双方ともリー代数の単純な族の部分となる。 連結な 3-次元リー群は、次のように分類することができる。中心の離散部分群で割った単連結リー群の商である。従って、上の表から読み取ることができる。 このグループ分けは、サーストン(Thurston)の幾何化予想の 8つの幾何学に関連している。さらに詳しくは、8つの幾何学の内の 7つは、単連結群上の左不変計量として実現することができる(もうひとつの方法も、ときには関連することがある。)サーストンの型が S2×R の幾何学はこの方法では実現することができない。
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