次数の選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 14:49 UTC 版)
「自己回帰和分移動平均モデル」の記事における「次数の選択」の解説
次数pおよびqは、サンプル自己相関関数(ACF)、偏自己相関関数(PACF)、拡張自己相関関数(EACF)法を用いて決定することができる。 その他の代替法として、AIC、BICなどがある。非季節性ARIMAモデルの次数を決定するためには赤池情報量規準(AIC)が有用である。AICは次のように書かれる。 AIC = − 2 log ( L ) + 2 ( p + q + k ) , {\displaystyle {\text{AIC}}=-2\log(L)+2(p+q+k),} ここで、Lはデータの尤度、pは自己回帰モデル部分の次数、qは移動平均モデル部分の次数であり、k' はARIMAモデルの切片を表す。AICでは k = 1の場合はARIMAモデルに切片があり(c ≠ 0)、k = 0 の場合はARIMAモデルに切片がない(c = 0)ことになる。 ARIMAモデルの補正AICは、次のように書くことができる。 AICc = AIC + 2 ( p + q + k ) ( p + q + k + 1 ) T − p − q − k − 1 . {\displaystyle {\text{AICc}}={\text{AIC}}+{\frac {2(p+q+k)(p+q+k+1)}{T-p-q-k-1}}.} ベイズ情報量規準(BIC)は、次のように書くことができる。 BIC = AIC + ( ( log T ) − 2 ) ( p + q + k ) . {\displaystyle {\text{BIC}}={\text{AIC}}+((\log T)-2)(p+q+k).} 目標は、良いモデルのAIC、AICc、BICの値を最小化することである。調査するモデルの範囲でこれらの基準の一つの値が低ければ低いほど、そのモデルはデータに適している。AICとBICは 2つのまったく異なる目的で使用される。AICがモデルを現実の状況に近づけようとするのに対し、BICは完全な適合性をみつけようとする。BICのアプローチは、現実の複雑なデータに完璧にフィットすることはないと批判されることが多いが、AICに比べてパラメータが多いことでモデルに大きなペナルティを与えるため、選択のための有効な手法であることに変わりはない。 AICcは、差分の次数が等しいARIMAモデルの比較にのみ使用できる。差分の次数が異なるARIMAモデルについては、RMSEをモデルの比較に使用することができる。
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