機会均等に向けて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 22:58 UTC 版)
今日、男子スポーツと女子スポーツの間における平等を求める争いが起こっている。2000年に832校で実施されたNCAAの調査によると入学者数の54%を女性が占めているが、これらの学校のスポーツ競技者に占める女性の割合は41%にまで低下する。これは、「男性アスリートに対する女性アスリートの割合は入学者数に占める男性と女性の割合にほぼ比例しているべきである」とするタイトルIXの規定に違反している。問題点の多くは男子スポーツと女子スポーツに計上される費用の問題に帰着される。2000-2001年の数字によれば、男性の大学におけるスポーツプログラムは女性に比べ、奨学金(60.5%)、運営費用(64.5%)、募集費用(68.2%)、監督の給料(59.5%)など多くの面でまだ上回っている。不平等は監督の地位にも見られる。タイトルIXが施行される以前、女子チームの90%が女性監督により指揮されていた。1978年、その数字は58%に低下し、2004年には44%にまで減少している。1972年、女子アスリートのプログラムの90%が女性が管轄していたが、2004年にはこの数値は19%にまで低下し、女性の管理者がいないプログラムも18%にまで増えている。2004年、NCAAの女子アスリート育成プログラムには3356の管理職があり、その内の35%を女性が占めているという結果も報告された。今日、女性はあらゆるスポーツに参加することが可能になっているが、一番数の多い女性の陸上競技プログラムにおいてさえ、男性のプログラムのほうが多い。これらの統計により、タイトルIXは女性がスポーツに参加することへの差別を取り払ったとは言えるが、未だ機会均等は達成されていないことが分かる。 2009年に開催された世界陸上競技選手権大会の800メートルレースで優勝した、南アフリカのトラックランナーであるセメンヤ氏が、国際陸上競技連盟から女性であることの証明を求められた。この性差別的な疑惑に対し、アフリカ民族会議(ANC)のブタナ・コンフェラ氏は、人種差別と性差別を理由に国際陸上競技連盟を国連に提訴した。
※この「機会均等に向けて」の解説は、「女子スポーツ」の解説の一部です。
「機会均等に向けて」を含む「女子スポーツ」の記事については、「女子スポーツ」の概要を参照ください。
- 機会均等に向けてのページへのリンク