標的と、その向こうに何があるかとを、常に把握しておくこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/12 02:25 UTC 版)
「銃器の安全な取り扱い」の記事における「標的と、その向こうに何があるかとを、常に把握しておくこと」の解説
このルールは、銃器を意図して発射したときに、標的でないものに対する被害を無くす、もしくは最小限にすることが目的である。このような被害は、標的でないものを標的と間違ったり、標的を外したり、あるいは、当てようとした標的以外の物や人間に弾丸が命中したりして、発生する可能性がある。 したがって射手は、標的を確実に識別し、確認するように教育される。加えて、正しい標的に発射しても、以下の三つの理由によって意図しないものに当たる可能性があることを学ぶ。 弾丸が狙った標的を外れ、標的の周りやその後ろにあるものに当たることがある。 標的でないものが標的の前を横切り、標的を狙った弾丸がそれに当たることがある。 弾丸が標的を貫通し、その後ろの標的でないものに当たることがある。これはオーバーペネトレーション(overpenetration)と呼ばれる。 つまり、このルールは、「常に標的を確認すること。標的それ自体だけでなく、その上下左右、前、および、背後も確認すること」を要求している。 このルールは、ジレンマのある状況を作り出すことがある。このような状況として、例えば暴徒の中の警官、襲撃してきそうな人物に夜中に出会った市民、敵の近くに民間人がいるような状況にある兵士などがある。このような状況の中で、迷ったり誤った判断をしたりすれば、例えば迷いが原因で負傷したり、交戦規定を破って想定外の損害の原因を作ったりするような、望ましくない結果を招くことがある。 このような結果を招く危険を最小限にするために、訓練が行われる。射撃訓練は、銃器を発射するときの精度を上げ、したがって、狙った標的に命中させる可能性を高める。終末弾道学(英語版)の教育は、標的に命中した後の弾丸の特性に関する知識を与える。この知識と、自分自身の能力を把握することによって、極めて限られた時間や大きなストレスの中でも、発射すべきか否かを適切に判断できるようになる。 オーバーペネトレーションの危険を減らすために、弾薬を選択することもできる。終末弾道学(英語版)、ストッピングパワー、ホローポイント弾も参照のこと。
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