栽培植物の逸出と日本在来種説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 01:49 UTC 版)
「チャノキ」の記事における「栽培植物の逸出と日本在来種説」の解説
日本では栽培される以外に、山林で見かけることも多い。古くから栽培されているため、逸出している例が多く、山里の人家周辺では、自然林にも多少は入り込んでいる例がある。また、人家が見られないのにチャノキがあった場合、かつてそこに茶を栽培する集落があった可能性がある。例えば、縄文時代晩期の埼玉県岩槻市の真福寺泥炭層遺跡や、縄文弥生混合期の徳島県徳島市の徳島浄水池遺跡からは、チャの実の化石が発見されている。 また、九州や四国に、在来(一説には、史前帰化植物)の山茶(ヤマチャ)が自生しているという報告があり、山口県宇部市沖ノ山の古第三紀時代始新世後期(3500万年 - 4500万年前)の地層からチャの葉の化石が発見され、「ウベチャノキ」と命名されている。日本自生の在来系統を一般的に日本種という言い方をする説がある。現在、日本種は分類学上、中国種に含められているが、20世紀後半頃から日本種を固有種として位置づける「日本茶自生論」が提唱されている。 一方、「日本の自生茶とも言われて来たヤマチャについて、その実態を照葉樹林地域、焼畑地域、林業地域、稲作地域と概見した結果、歴史的にも植物学的にも、日本に自生茶樹は認められないという結論に至った」という日本自生の在来種説に否定的な研究がある。また、「伊豆半島、九州の一部などから野生化の報告もあるが、真の野生ではない」とされ、YList では帰化植物とされている。
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