栽培植物の成立過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:05 UTC 版)
第四紀に至ると乾燥気候が発達して草原が出現した。さらにそうした環境を好むイネ科やマメ科の植物が進出し、それを求めて草食動物が現れてある種の共生環境を形成した。こうした状況に人類が現れると、狩猟・採集、あるいは排泄やゴミの投棄などの生活行為により環境を攪乱していったと考えられている。そうした人為攪乱環境に適応した植物を雑草性植物と呼ぶが、その中から人類は有益な植物を積極的に利用し、やがて有用な雑草性植物の繁殖を管理したり、それ以外の植物を除去したりするようになった。この状態を半栽培と呼ぶ。 さらに段階が進むと、人類は積極的に環境を攪乱して耕作地をつくる。ここで栽培された野生植物あるいは雑草性植物は、自然から隔離された環境で、遺伝的選択と播種から収穫までの周期が繰り返されることで栽培化が進行し、栽培植物になったと考えられている。こうした変化は考古学的見地から1万年前ごろから始まったとみられるが、急激に進行したのではなく数千年単位の移行期間があったと考えられている。
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