栽培や利用など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 05:47 UTC 版)
にっこり梨は育成地の宇都宮市を始め、芳賀町、大田原市などで栽培されている。栃木県の梨の栽培面積、約800ヘクタールのうち約70ヘクタールが、にっこり梨の栽培面積である。 農林水産省による平成30年産の品種別栽培面積では、1.0パーセント(93.5ヘクタール)である。品種登録以降、産地は栃木県内に限られていたが、日本国内でのブランド化を目指して2010年(平成22年)から栃木県以外でも栽培可能となり、茨城県や千葉県にも栽培地が広がっている。 宇都宮市のナシ農家では、まず8月の幸水に始まり、豊水、あきづき、新高、甘太、さらににっこり梨と11月ごろまで順次出荷している。4月上旬の開花後に受粉作業を行う時点で、収穫時期となる180-190日後にどのくらいまで育つかを予想する。その上で木につく果実を摘果して、残したものを大きな果実に育て上げる。 近年の労働力不足を解決する方策として、JAうつのみやとナシ農家が協力して「ジョイント栽培」などの新しい栽培方法を取り入れている。ジョイント栽培とは、木の主枝を一方向に伸長させえその先端を隣の木に接ぎ木をして一直線に仕立てる栽培法である。この方法の利点として、老齢化したナシの木を植え替えるとその後5年以上収益が見込めなくなるが、ジョイント栽培を取り入れると3年目から収穫可能となって5年目には安定した収入が見込める。さらに収穫する際の動線が単純化されるため、省力化と早期の多収も可能となり、栽培面積の拡大も見込める。 JAうつのみやでは、収穫後のナシをコンテナ詰めにして選果場に運搬している。選果場に送られたナシは1玉ごとにラインに載せられ、人の目とと光センサーを併用して形や大きさ、糖度や熟度を計測した後に箱詰めされている。同JAでは糖度が10度に満たない場合は「にっこり梨」として出荷せず、糖度13度以上を目標としている。 にっこり梨については、商品の開発も進んでいる。芳賀町のナシ農家は、2017年(平成25年)5月から完熟にっこり梨を使った地サイダーとして「とちぎにっこり梨の祭だぁー」という商品名で自身の直売所や道の駅、観光地、通信販売等で商品販売を開始した。そして「完熟にっこり梨の飴」や果汁を使った発泡酒の商品化や加工場の新設などでさらに付加価値を高め、売り上げの増加を目指している。
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