松澤宥とは? わかりやすく解説

松澤宥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 16:38 UTC 版)

豊田市美術館の池に浮かぶ松澤宥の作品「白鳥の歌」

松澤 宥(まつざわ ゆたか、1922年大正11年〉2月2日 - 2006年平成18年〉10月15日[1])は、日本コンセプチュアル・アーティスト(概念芸術家)。

人物

長野県諏訪郡下諏訪町に生まれる。旧制諏訪中学(現・長野県諏訪清陵高等学校)を経て、1946年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業。1952年第4回読売アンデパンダン展、第12回美術文化協会展に出品。 その後1955年、ウィスコンシン州立大学よりフルブライト交換教授として招かれ渡米、翌年コロンビア大学現代美術宗教哲学を修めて1957年帰国。

1964年6月1日深夜、「オブジェを消せ」という啓示を受け、概念芸術家としての活動を始める。

松澤の活動は瀧口修造中原佑介針生一郎等の美術評論家達に注目され1970年の第10回日本国際美術展「人間と物質」展に参加し[2]、他のコンセプチュアルアーティス トの堀川紀夫英語版(「新潟現代美術家集団GUN」所属[3])、河原温高松次郎ダニエル・ビュランハンス・ハーケソル・ルウィットマリオ・メルツ英語版らと共に美術業界英語版に紹介される。

コンセプチュアル・アートの先駆者の一人として、欧米にもその名を知られた。

1973年美学校・諏訪分校を開講する(1981年閉校)[4]

2006年10月15日、郷里の下諏訪町で84年の生涯を閉じた。

1922年2月2日に生まれたことから2という数字にこだわり、東京国立近代美術館でのパフォーマンス2月22日に行っていた。

美術評論家の千葉成夫は、著書『現代美術逸脱史』の中で松澤宥を「日本概念派」の重要人物の一人としている。塩尻市在住時代の草間彌生が頻繁に訪ね、師と仰いだ現代美術家でもある。

主な展覧会など

収蔵作品

著書

  • 『星またはストリップ・ショウ: 松澤宥選詩集』‎書肆山田 (2013年)ISBN 978-4879958853
  • 360°Graphics『九つの柱 : 松澤宥「暗黒星雲計画-見宝塔品第九」』. NCID BA66170843 
  • 黒田康夫写真『遂に空マンダラハハ : 松沢宥のmillennium』クマラ企画(2022年). NCID BC16980733 
関連著書

脚注

  1. ^ 松沢宥 - コトバンク
  2. ^ 松澤宥 - 東京文化財研究所
  3. ^ 前山忠英語版、市橋哲夫等
  4. ^ 美学校史覚え書き参照
  5. ^ 千葉成夫『松澤宥プサイの部屋からの二十七個の函』サプリメントギャラリー(1982年). NCID BA89589496 
  6. ^ 日夏露彦、 芹澤泰偉『現代美術の黙示録 : 魂の深層からApocalypse in contemporary art : from the depth of soul』(1986年). NCID BA77075968 
  7. ^ 『量子芸術宣言Quantum Art Manifesto』岡崎球子画廊(1992年). NCID BN10173408 
  8. ^ 斎藤郁夫『松澤宥 : 死を念え : ミメントゥ・モーライ』山口県立美術館(1994年). NCID BA66599592 
  9. ^ 佐谷画廊『松澤宥 = Yutaka Matsuzawa(オマージュ瀧口修造展)』(1995年). NCID BA80789769 
  10. ^ 斎藤記念川口現代美術館『スピリチュアリズムへ・松澤宥1954-1997』(1997年). NCID BA32046162 
  11. ^ 『松澤宥作品&松澤宥キュレーション作品展 : 「消滅と未来と」Varishment and future : works of Yutaka Matsuzawa and other works selected by him』(2005年) . NCID BA74624152 
  12. ^ 広島市現代美術館・「松澤宥と九つの柱」BOXアート実行委員会『松澤宥と九つの柱 : 九相の未来 : パーリー・ニルヴァーナに向かってYutaka Matsuzawa and nine pilllars : the future of nine aspects : towards the parinirvana』(2005年) . NCID BA7464350X 
  13. ^ 森田 一『オブジェの方へ : 変貌する「本」の世界 : 開館10周年記念』美術連絡協議会(2009年). NCID BB00483109 
  14. ^ 前田忠史、太田智子、中田麻衣子『在る表現 : その文脈と諏訪 : 松澤宥・辰野登恵子・宮坂了作・根岸芳郎』茅野市美術館(2016年) . NCID BB2184824X 
  15. ^ 嶋田美子、 鄭裕憬、山井隆介『From nirvana to catastrophe : Matsuzawa Yutaka and his 'commune in imaginary space'』(2017年). NCID BB27981752 
  16. ^ 伊勢功治「松澤宥作品集」なるせ美術座(2019年). NCID BC0762645X 
  17. ^ 美術手帳ホームページ 長野・下諏訪町で「松澤宥生誕100年祭」が開催。街なかで貴重な作品や資料を展示
  18. ^ 『松澤宥展Yutaka Matsuzawa exhibition』(2024年) . NCID BD07531339 

出典

関連項目

外部リンク





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