木彫り細工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:35 UTC 版)
トラジャ語は音声言語であり文字を持たない。そこで、社会的または政治的などの概念を伝達する手段としてパッスラ(Pa'ssura、「記述(the writing)」の意)と呼ばれる木彫り細工がある。それゆえ、木彫りはトラジャ族の文化を顕示したものと言える。 それぞれ固有の名称を持つ木彫りだが、その主題は共通して何らかの美徳を象徴する動物や植物である。例えばカニ、オタマジャクシ、カナダモ(en)といった水草や水棲動物(en)は一般に多産を象徴するとみなされている。このような木彫りは、一つの例として正方形に彫られたパネルを並べて装飾に用いられるものが見られる。左図下にある水牛をモチーフとするパネルは富を象徴し、家族がたくさんの水牛を持てるよう願いを込めている。中央のパネルは結び目と箱をモチーフとし、物品が箱の中で安全に保管されているように家族が子孫代々幸福と調和にあふれた生活が送れることを願っている。左上と右上のパネルは水棲動物を表し、それらが水の上を進むときの様に、忍耐と勤勉の必要性と、それらが良き結果をもたらすことを説いている。 トラジャ族は、規則正しさと秩序立った構成、そして抽象的な具現と幾何学模様を自然の中に見出し、これらを共通の特徴として木彫り細工の中に反映している。これらの装飾は、民族数学(en)分野での研究が進み、トラジャ人が持つ論理数学的概念を明らかにしているが、彼ら自身はこの装飾は単純に伝統的なモチーフを模倣したものだと考えている。この細工には竹が多用されている。 トラジャ族の意匠の例 ラスター変換
※この「木彫り細工」の解説は、「トラジャ族」の解説の一部です。
「木彫り細工」を含む「トラジャ族」の記事については、「トラジャ族」の概要を参照ください。
- 木彫り細工のページへのリンク