木の文化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 00:42 UTC 版)
「日本列島の旧石器時代」の記事における「木の文化」の解説
石器時代の文化といえば、石器を思い浮かべるが、日本列島の豊かな森林資源を忘れてはならない。これまでに、板状の木製品と木の柱を使った住居跡が見つかっている。 板状の木製品は、明石市西八木遺跡で約6〜5万年前の砂礫層の中からハリグワという広葉樹を用いた板状の木製品(加工痕のある木片)が出土している。この木片は、長さ23.4センチ、最大幅4.8センチ、厚さ4ミリで、少なくとも2種類の石器で加工されている。用途はまだ分かっていない。この砂礫層の年代の板だとすると、中期旧石器時代の板ということになり、旧人が工作した板ということになる[要検証 – ノート]。 住居跡は、大阪藤井寺市はさみ山遺跡で約2万2000年前の極めて形の整った径6メートル、深さ20センチメートルの円形竪穴住居が検出された。外周に柱穴を持つもので径10センチぐらいの材を20本近く斜めに立て並べ、中央で簡単な組み木を施し、その上を草や皮で覆った構造が考えられる。この住居跡は、構造がよく分かった上にサヌカイト製のナイフ形石器や翼状剥片が約200点も一緒に出土している。 竪穴住居といえば縄文時代や弥生時代の住居形態を想起するが、竪穴住居が旧石器時代に遡っただけでなく旧石器時代人が石器だけでなく木を使っていたことが分かってきた。木に石器を取り付ければ、鍬・斧・槍・矢・スコップなどの生産用具を作り、生産効率を上げることが出来る。径10センチくらいなら、今の建築材料の柱の太さとそう変わらない。それを20本もだから、木の柄の付いた斧で木を倒したのだろうか。
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