木の来歴と伐採まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 06:07 UTC 版)
美保関は島根半島の突端に位置し、古くから名の知られた港町である。このマツは、美保関港を東側に見下ろす標高100-130メートルほどの山の稜線に5本そろって生育していた。港に出入りしたり隠岐に通ったりする船頭や漁師たちが、航路の目標として親しんだマツであった。そのうち1本は早くに強風で根こそぎになって枯死したとも、美保神社へ参拝する当地の領主によって通行の妨げになるとして伐採されたとも伝わる。 4本のマツは、稜線沿いに西北から東南の方向に並んでいた。最大のマツは樹高が25メートル、根回り14メートル、目通り幹囲4.30メートルを測っていた。4本のマツは、1943年(昭和18年)8月24日に国の天然記念物に指定され、指定当時の樹齢はみな約350年と推定されていた。 第二次世界大戦後の1958年(昭和33年)に、伊勢湾台風の被害に遭って1本が倒伏した。このとき倒伏したマツは、樹齢が約400年のものであった。その後1970年(昭和45年)8月の台風によって、さらに1本が倒れた。同年11月にも台風の被害に遭って、1本が真っ二つの状態に折られた。 古くから知られた関の五本マツも残り1本となって、1971年(昭和46年)10月8日に国の天然記念物指定が解除された。残っていた1本も、危険防止のため2000年(平成12年)に伐採された。翌年4月に美保関地区観光協会は原木の一部と切り株を記念のモニュメントとして残し、五本松公園内に展示している。
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