サヌカイト(Sanucite)

香川県綾歌郡国分寺町
標本の幅約12cm
讃岐地方で最も多く産出することから「讃岐石(サヌカイト)」と呼ばれる岩石で、
叩くと「カンカン」と良い音で響くことから「カンカン石」とも呼ばれています。
サヌカイトは安山岩の一種で、瀬戸内地域の火山活動によってマグマが流出し、
それが冷え固まってできた岩石です。
叩いた時の美しい音色から楽器として利用されることもあり、旧石器時代には
石器の材料としても利用されました。
サヌカイトを叩いた時の音 sanuc.wav
讃岐岩
(サヌカイト から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 03:00 UTC 版)
讃岐岩(さぬきがん、sanukite、サヌカイト[1])は、名称のもとである香川県坂出市国分台周辺や大阪府と奈良県の境にある二上山周辺で採取される、非常に緻密な古銅輝石安山岩。およそ1400万年前に瀬戸内周辺地域の火山から噴出した溶岩からなる[1]。固いもので叩くと高く澄んだ音がするので、カンカン石とも呼ばれる[1]。
サヌカイトという名称は、明治政府に招かれ、日本各地の地質を調査したドイツ人地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマンが、讃岐岩を本国に持ち帰り、知人のバインシェンクが研究して命名したものである[1]。
2007年、日本の地質百選に選定された(No.096「サヌカイト」)。2016年には日本地質学会から香川県の「県の石」に選定されている[2]。
利用
石器
古代には、石器の材料として使われ、打製石器、磨製石器に加工され使われていた。そのため同じく石器の材料となる黒曜石同様に、古代の人々の遺物として、産出地以外の遙か遠方で、サヌカイトの破片が発見されている。
楽器
音楽・音声外部リンク | |
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固いもので叩くと高く澄んだ音がする。玄関の呼び鈴の代わりに使われたりしている。博物館などで長さの違う石片を並べて木琴のように叩いて音を出す「石琴」(楽器名:サヌカイト)などの展示物やコンサートに使われている。楽器としての演奏者(小松玲子など)も存在し、香川県の公共施設のBGMで流れている。
脚注
参考文献
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- 黒田吉益、諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年。ISBN 4-320-04578-5。
- 益富壽之助『原色岩石図鑑 全改訂新版』保育社、1987年。 ISBN 4-586-30013-2。
- 全国地質調査業協会連合会・地質情報整備・活用機構編『日本列島ジオサイト地質百選』オーム社、2007年。 ISBN 978-4-274-20460-9。
関連項目
外部リンク
- “サヌカイト(さぬき岩、讃岐岩、カンカン石)”. 地質標本館. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月14日閲覧。
- sanukite サヌカイト 前田宗一
- “「讃岐の名石」サヌカイト”. 香川県立五色台少年自然センター 自然科学館. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月14日閲覧。
- 石琴・サヌカイト(日本文化いろは事典)
- “サヌカイト奏者 臼杵美智代さん”. 毎日新聞地方版 (2019年2月22日). 2020年5月15日閲覧。
固有名詞の分類
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