発掘の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 04:17 UTC 版)
7層の遺物包含層が確認されている。 第1層:石鏃と押形文土器、縄文時代早期 第2層:船底形の細石核と細石刃、爪形文土器 第3層:船底形の細石核と細石刃、隆起線文土器(1960年代に炭素14年代測定法で12000~13000年前と測定された。) 第4層:半円錐形の細石核と細石刃、片面調整円形石器、尖頭器(せんとうき) 第7層:黒曜石の小石核と小石刃 第9層:サヌカイトの石核と翼形剥片 第15層(最下層):九州で最大のサヌカイト大型石器(槍先形両面調整石器、削器)と刃型剥片。C14年代測定法では、35,000年以上前と推定。 これまで土器は縄文時代草創期が最古のものだった。福井第2-4層の土器は、日本で初めて発掘された旧石器時代の土器である。これを機に、土器製造の歴史を遡る調査研究が盛んになった。 また、第2-7層で多種多様な細石核が出土したことから、日本全土で旧石器時代末期に流行した細石器の製造法の変遷が確認された。福井の細石核を基準として、細石器の編年が可能となった。 第7層で初めて黒曜石の使用が始まり、サヌカイトの使用は急激に衰えるが、これは松浦市星鹿半島の牟田・伊万里市の腰岳・佐世保市の淀姫(東浜)と針尾島・川棚の大崎半島などの黒曜石産地の発見・交流の成果と見られている。
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