普通の夫婦との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 05:32 UTC 版)
「カサンドラ症候群」の記事における「普通の夫婦との違い」の解説
どこの夫婦も、多かれ少なかれコミュニケーションが取れないものではないのか? サイモン・バロン=コーエンは、自閉症スペクトラムの男性の脳は究極の「男性脳」であると述べている。一般的に、他者との相互作用やコミュニケーションにおいて、男性は論理的で率直になりやすい一方、女性は感情的かつ記述的な言葉を多用する傾向がある。そのため、カサンドラ症候群の女性が悩みを口にしても、他の人たちは非アスペルガー症候群夫婦間の愚痴との違いがわからず、「どこの夫婦も同じ」「うちもそうよ」などと答えがちである。実際、アスペルガー症候群との生活のエピソードの一つ一つを見れば「誰にでもあるようなこと」と言える。しかし、それがあらゆる形で一人の人に日々起こり続けるのがアスペルガー症候群である。カサンドラ症候群の女性は悩みを理解してもらえず、孤独感に陥る。 パートナーとの関係がいまくいかない時期はどんなカップルにもあるが、一方がアスペルガー症候群のカップルは、両者ともアスペルガー症候群ではないカップルのような対処ができない。「論理脳」を持つアスペルガー症候群は、感情的な話になると、非論理的・無秩序・無構造な情報を解読処理しようとして、脳が負荷過剰(オーバーロード;メルトダウン)になってしまう。他の情報を処理する余裕がなくなり、記憶や解釈の違いがコミュニケーションに支障をきたす。オーバーロード状態になると、アスペルガー症候群男性は会話を正確に思い出せないことがある。女性は、アスペルガー症候群男性の脳の情報処理の仕方の違いや、複数の回路を同時に使えないことを受け入れ、覚えておいてほしいことは紙に書き、大切なことはタイミングをよく見計らって伝えなければならない。アスペルガー症候群男性との共通理解を得るためには、女性は考えや感情を説明する方法を身につけなければならない。 オーバーロード状態では、アスペルガー症候群男性は話し合いを避け、二人の間のコミュニケーションは途絶えてしまう。処理しきれない情報を脳が整理する時間が必要なため、アスペルガー症候群男性には引きこもることが必要になる。自分たちがどう感じているかを伝えるのはアスペルガー症候群の結婚にとって大事である。「違う」ということは、パートナーの気持ちを理解できるとは限らないということなので、誤解を避けるために話し合い、何が必要か説明しなければならない。
※この「普通の夫婦との違い」の解説は、「カサンドラ症候群」の解説の一部です。
「普通の夫婦との違い」を含む「カサンドラ症候群」の記事については、「カサンドラ症候群」の概要を参照ください。
- 普通の夫婦との違いのページへのリンク