普通の人間の立場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 04:31 UTC 版)
ちなみに普通の人間の取っている立場は、厳密な意味では上記の分類のどこにも位置づけられない。普通の人間は、目の前に机が見えれば、「あ、机があるな」と素朴に考えるが、いちいち、「本当に机は存在しているのだろうか?」「実際に目に映るこのような形で、机は実在していると考えていいのか?」といったややこしい事は考えない。こうした普通の人間が日常生活を送る上で前提にしている存在に関する態度は、科学哲学の世界では素朴実在論と呼ばれており、上の表の中で、素朴実在論の立場に一番近いものをあえて選ぶなら、科学的実在論が最も近い。 ちなみに、どんな突飛な存在論的主張をしている哲学者であっても、日常生活を送る上では、素朴実在論に基づいた行動を取っており、例えば車にひかれそうになったなら、「本当に車は私に向かってきているのか?」などと問うこともなく、急いで逃げだす、などがその例である。
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