映画音楽での業績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 16:27 UTC 版)
「アイリーン・ジョイス」の記事における「映画音楽での業績」の解説
二人目のパートナーとなった男性の影響もあり、ジョイスはいくつもの映画のサウンドトラックの演奏を手がけた。特にデヴィッド・リーンの『逢びき』でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏したことはよく知られている(共演はミューア・マシソン)。同じく1945年の『第七のヴェール』でもピアノ演奏を担当したが、映画にはクレジットが表記されなかった。この映画でもやはりラフマニノフの第2番が用いられたほか、グリーグのピアノ協奏曲やモーツァルト、ショパン、ベートーヴェンのピアノ独奏曲が使用された。 1946年の映画『Men of Two Worlds』ではアーサー・ブリス作曲の「Baraza」をマシソンとの共演で演奏した。ピアノと男声合唱とオーケストラの編成によるこの作品は、ブリスの説明によるとアフリカの酋長たちの間の討議を表現しているのだという。ブリスはこれを単独のコンサート用の作品としても発表しており、1945年にやはりジョイスによって初演された。翌1946年には録音もされ、この録音は映画自体よりも人気を博した。1947年にはダーク・ボガードのアンソロジー映画、『四重奏』の「変り種」においてジョイスの演奏によるシューベルトの即興曲変ホ長調が使用された。 彼女はサウンドトラックのみならず、いくつかの作品では映画自体への出演も果たしている。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の戦時中の奮闘ぶりを描いた1943年のドキュメント仕立てのドラマ、『Battle for Music』では他の多くの著名な音楽家たちとともに本人役で出演した。1946年の映画『A Girl in a Million』にはピアニスト役として出演し、フランクの「交響的変奏曲」の一部を演奏した。1952年の『トレント最後の事件』では本人役で出演し、ロイヤル・オペラ・ハウスにおいてアンソニー・コリンズとの共演でモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を演奏した。後述のように彼女の伝記を元にした1953年の映画、『追憶の調べ』では作品の最初と最後に少しだけ本人役として出演している。
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