日本医師会、日本産科婦人科学会、日本小児科学会のワクチン再開要望
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「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「日本医師会、日本産科婦人科学会、日本小児科学会のワクチン再開要望」の解説
日本医師会は2015年8月19日に『HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き』を発行、47都道府県に協力医療機関を設置し、HPVワクチン接種後の症状に対する診療体制を整えたなど、接種希望者がより安心してワクチン接種を受けられる診療環境が整ってきたことを指摘した。 日本産科婦人科学会は、2015年にHPVワクチン早期再開を訴えた。さらに、2017年12月9日の声明で、ワクチン接種を導入した国々では、接種世代におけるHPV感染率の劇的な減少と前癌病変の有意な減少が示され、9価ワクチンは子宮頸癌の原因となるHPV型の90%以上をブロックしている。日本では「一部の研究者の科学的根拠のないデータや報道等により、国民の正しい理解を得られないまま、長期にわたり勧奨が再開されないままとなっている」が、現在女性の74人に1人が罹患し、340人に1人が子宮頸癌で死亡している。日本でもワクチン接種により子宮頸癌罹患者数は10万人あたり859人から595人、死亡者数は10万人あたり209人から144人の減少が期待され、「このまま勧奨を再開せず、接種率がゼロに近い世代が拡大し続ければ、将来、ワクチン接種を勧奨しなかったことに対して、不作為責任を問われることも危惧される」として、接種再開を訴えた。2017年12月までに4度にわたって、接種推奨の再開を求めた。 日本小児科学会など17の学術団体は2016年4月、子宮頸癌予防ワクチンの積極的な接種を推奨する共同声明を発表した。既に世界130か国で使用されているが、障害を残す副反応は0.002%に過ぎず、ヨーロッパでの調査でもワクチン接種群と非接種群で副反応とされる症状の発生頻度に差が見られないことを根拠として、これ以上の積極勧奨中止の継続は「極めて憂慮すべき事態だ」と表明した。 2016年8月、日本医学会会長、日本産婦人科医会会長ら学識経験者の有志が、厚生労働省健康局長に書簡を提出した。書簡には「EUROGIN 2016」(ヨーロッパ生殖器感染および腫瘍に関する専門家研究会議)に参加した、世界50カ国以上341人の研究者の署名が添えられ、「日本で問題になっている諸症状は、HPVワクチンとの因果関係が認められておらず、日本の不適切な政策決定が、世界中に与えている悪影響を承知されるべきである」という、世界中の研究者の苦言が伝えられた。
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