日本以外の入学試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 10:14 UTC 版)
中国、韓国、シンガポールなどといったアジア東部のいくつかの国においても、共通試験や各大学の個別試験などが大学等の入学試験として課される。学歴社会である韓国では、入試に遅刻しそうな受験者をパトカーが送るなどといった光景が風物詩となっている。 ヨーロッパでは、国際バカロレア資格におけるスコアを大学等の高等教育機関の入学試験の要件として課す場合が多い。 イギリス連邦(イギリス本国を含む)では、一般教育修了上級レベル(通称:Aレベル)という全国統一学力試験の前半部分であるASレベルを大学入学の16ヶ月ほど前に通常3科目から5科目受けて、約3ヶ月後にその試験結果が発表された後に試験結果に基づいて志望大学と専攻科目を学校と相談して決める。イギリス国内では同年に最大で5つの大学しか受ける事が出来ないので、ここでの選択が非常に重要となる。大半の大学は受験生のASレベルの試験結果、中学卒業時に受けたGCSEという全国統一学力試験の結果、高校の教師陣による学力評価およびに高校卒業直前に受けるAレベル試験の大まかな結果予想、志望動機書により、受験生ごとに個別の大学合格点となるAレベルの結果を設定するか、または不合格を言い渡す。オックスフォード大学とケンブリッジ大学の場合は、ASレベルやAレベルとは別に筆記試験と口頭試問を受ける必要がある。特に口頭試問は専攻に選んだ科目の理解力と思考能力を試される純粋な学力試験で、多くの場合は受験の最大難関となる。ここ10数年間に、オックスフォードとケンブリッジ以外にもASレベルやAレベル以外の試験を必要とする大学(得に数学か医学専攻志望者の場合)が増えている。これはASレベルやAレベルの難易度がこの30年の間にかなり下がったことが大きな理由となっている。ちなみに学部入試の際にはオルガン奨学生という特殊な場合を除いて、オックスフォード大とケンブリッジ大の両校を同年に受ける事は出来ないが、大学院受験の場合にはそういった制限が存在しない。 オーストラリアでは、Year 12 (en) と呼ばれるコースを履修し、その結果受験者に与えられる Australian Tertiary Admission Rank(en、頭字語:ATAR。意訳:オーストラリア高等教育入学ランク)と呼ばれるスコアを元に大学の入学者選抜が行われる。 アメリカ合衆国では、学科試験、高校の成績と面接、各受験者の特別な才能等、大学ごとに入学者選抜が行われる。同時にアメリカ合衆国の最高水準の大学の入学許可を得るのは、受験(努力して合格する)という範疇を超えており、家柄、先天的知能、天才的才能、誰から推薦状を貰っているかなどといった、先天的部分が大きく影響する(通称:グラスシーリング〈ガラスの天井〉)ため、トップレベルの大学への入学が困難である場合が多い。
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