日本の沈下橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 03:40 UTC 版)
その構造から建設費が安く抑えられるため山間部や過疎地などの比較的交通量の少ない地域で生活道路として多く作られ、台風などの豪雨に度々見舞われる西日本の各地で多くみられた。架橋技術が進歩するにつれ、現在では山間部でも広い道路や本格的な橋が造られること、また慣れているはずの地元住民といえども転落事故が絶えないことから、永久橋に架け替えられてゆき徐々に姿を消しつつある。一方、沈下橋を河川の文化的景観、技術的遺産、観光資源として保存する動きもあり、例として龍頭橋(大分県)の土木学会選奨土木遺産認定や、四万十川流域(高知県)の重要文化的景観選定などが挙げられる。 1999年の高知県による調査によれば全国の一級河川及び支流には合計410か所の沈下橋があり、都道府県別に見ると、高知県(69か所)、大分県(68か所)、徳島県(56か所)、宮崎県(42か所)の順で多い。一級水系以外も含めると、大分県では、合計212か所の沈下橋が確認されている(2007年8月6日現在)。 調査によって確認されたもののうちで日本最古の沈下橋は、1876年に大分県杵築市の八坂川に架けられた永世橋(ながせばし)であるが、この橋は2004年9月29日に台風21号による増水で流失した。現存する日本で最古の沈下橋は、1912年(明治45年)に同じく八坂川に架けられた龍頭橋である。
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