日本の水道水の残留塩素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/04 02:46 UTC 版)
日本では、水道水の消毒は水道法第22条に基づく水道法施行規則(厚生労働省令)第17条3号により「給水栓(俗に言う蛇口)における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染される恐れがある場合、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは物質を多量に含む恐れのある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、1.5mg/L)以上とする」と規定されており、飲料水としての水を確保するようになっている。 水質管理目標設定項目(案)では目標値は1mg/L以下と決められている。WHOのガイドラインでは遊離残留塩素が5mg/Lであるため、日本の基準値はかなり少ないと言える。浄水器メーカーなどが水道水の危険性を煽っていることが多いが科学的根拠は全く無い。 不連続点塩素処理(遊離残留塩素を使う)と結合塩素処理(結合残留塩素を使う)のどちらが殺菌または消毒法として好ましいかは、安全性から観れば水中に含まれ得る不純物の量や構成によって異なるため一概には言えないが、少なくとも経済性から観れば少ない塩素注入量で済む方が効率的であるし、飲料水としての水道水中に塩素化合物が増えることは少なくとも好ましいとは言えないであろう。このため、上水道ではアンモニアやその化合物をはじめとする不純物が極力含まれないような水源を選ぶと共に、その水源を行政・地域住民・土地管理者が協力して保全し、こうした不純物を混入させないようにしてゆく取り組みが大切であるとされる。 なお、クリプトスポリジウムなど一部の原虫は、オーシストと呼ばれる酸化に強い膜に覆われて水中を漂うため、残留塩素ではなく浄水場でのろ過処理で除去する必要がある。
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