日本の格差の是正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:06 UTC 版)
「富の再分配」も参照 経済協力開発機構(OECD)は2008年に「日本は若者が安定した仕事につけるよう、もっとやれることがある」と題した報告書の中で、「正規・非正規間の保護のギャップを埋めて、賃金や手当の格差を是正せよ。すなわち、有期、パート、派遣労働者の雇用保護と社会保障適用を強化するとともに、正規雇用の雇用保護を緩和せよ」と勧告を行っている。企業規模や雇用形態(フルタイム、パートタイム、派遣など)に関わらず、同一職務には同等の賃金を支払う、同一労働同一賃金の原則がEU各国で導入されている。 社会政策の観点からは、富の再分配の仕組みとして、社会保険や直接税等による富の再分配を通して格差を是正することが考えられる。厚生労働省の所得再分配調査で見ると、再分配前の当初所得は1996年の0.441(ジニ係数)から2005年の0.526へと拡大の一途をたどっているが、再分配後の所得で見るとわずかな拡大にとどまる(0.361→0.387)。この背景としては直接税による改善度が低下する反面、社会保障による改善度が上昇していることがあげられる。全体的には、ほとんどが社会保障による改善となっている。 1989年に本格的な間接税である消費税が導入され、相続税は2003年度税率改定などで軽減されている。消費税などの間接税は逆累進的な性質の税制である。また、相続税の軽減は本人の努力なしで手に入れた財産を保護するもので、格差の固定化・助長につながるという批判がある[要出典]。なお、低所得者にはほとんどメリットがないと言われていた所得税と個人住民税の定率減税(1999年より実施)は、2005年度から段階的に廃止されている。 自治体間の収入格差に対しては、消費税の地方への配分引き上げが検討されている。
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