日本のフィルム・コミッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 02:13 UTC 版)
「フィルム・コミッション」の記事における「日本のフィルム・コミッション」の解説
2000年以降、全国各地でフィルム・コミッションの整備が進められた結果、2021年現在の日本国内のフィルム・コミッションは約350団体であり、国内のフィルム・コミッションの数としては世界最多となっている。 その結果、日本国内でロケ撮影を実施する作品数が大幅に増加しており、2000年には282本だったものが、2008年には418本、2015年には2000年のほぼ2倍に当たる581本、2018年には613本となった。 邦画に限ると、2015年の国内興行収入上位32作品(うち実写22作品)のうち、フィルム・コミッションの支援を受けない実写作品はわずか1作品のみであった。2016年の邦画上位37作品では実写32作品中31作品、アニメーションは11作品中1作品がフィルム・コミッションの支援を受けている。2017年の邦画上位38作品のうち、実写28作品は全てフィルム・コミッションの支援を受けている。 日本の民間企業では「ロケーションサービス」という名称で、フィルム・コミッションとほぼ同様のサービスを行う部署を設置するケースがある(JR西日本や本州四国連絡高速道路など)。 また、日本のフィルム・コミッションは観光振興政策の延長線的位置づけとして、各都道府県庁、市役所、町村役場の観光課もしくは観光振興を目的とする外郭団体によって運営されている場合が多く、警察にも影響力を及ぼすことが可能なアメリカのフィルム・コミッションほど強力な権限を有していない。そのため、例えばアメリカのように道路を封鎖してカーアクションを撮影することは未だに困難な状況である。 現在、日本のフィルム・コミッションの連絡機関として2009年に設立された「特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッション」(略称:JFC)が存在する。 ただし、JFCは民間の任意団体であり、日本のフィルム・コミッションを全て統括するものではない。予算の関係などで、JFCに未加盟の小規模な市町村レベルのフィルム・コミッションが国内に多数存在する点にも留意が必要である。 近年、日本国内でフィルム・コミッションが整備された結果、全国の都道府県ほぼ全てに窓口が整備されており、都道府県レベルの窓口がJFC未加盟の団体も含めた市町村レベルのフィルム・コミッションを紹介するという流れができつつある。
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