日本と中国、ベトナムでの日付の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:41 UTC 版)
「旧正月」の記事における「日本と中国、ベトナムでの日付の違い」の解説
中国暦は天体の運行を元にしており、朔や中気がどの日に起こるかで、月の始まりや月名を決める。これらの天文現象が観測されるのは世界同時だが、時差により、世界中で同じ日ではない。それにより、旧正月が国によって違うことがある。たとえば、2007年の雨水の直前の朔が起こったとき、日本(日本標準時、UTC+9)や中国(中国標準時、UTC+8)ではもう2月18日だったが、ベトナム(ベトナム標準時、UTC+7)ではまだ2月17日だった。そのため、日本の旧正月や中国の春節は2月18日、ベトナムのテトは2月17日となった。このようなずれは、時差1時間あたり、平均して24年に1度ある。21世紀前半では、中国とベトナムの間では2007年と2030年、中国と日本の間では2027年と2028年に起こり、東側の国の旧正月が西側の国より1日遅れる。 ごく希に、旧正月が約1朔望月(29日 - 30日)ずれることもある。これは、朔の前24時間以内に中気が起こるときにありうる。月名の決定を朔の瞬間と中気の瞬間の比較で考えるとこのようなことはありえないが、正確には朔の瞬間ではなく「朔日の0時」と中気の比較である。観測場所によって「朔日の0時」に時差があるため、中気が朔と同じ日なのかあるいは前の日(すなわち前の月の晦日)なのか異なる場合があり、月名がずれることになる。 さらに、日本と他国の間では、中国の旧暦である時憲暦(正確には1811年の修正以前の置閏法の時憲暦)と日本の旧暦である天保暦(1811年に修正された後の時憲暦の置閏法を参考にして作られた。)との間の置閏法の違いが月のずれを引き起こすことがありうる。なお、天保暦(及び1811年に修正された後の時憲暦)の置閏法には欠陥があり、さらに日本では旧暦の公的管理がなされていないため、日本の旧正月については日付を決定するのが困難な場合がある (2034年、2148年、2224年など。旧暦2033年問題参照)。中国においては、祝日である春節を決定するために旧暦の公的管理がなされている。 日本とベトナム以外は、現地の標準時にかかわらず旧暦の計算に中国標準時を使っていて、暦法も同じなので、旧正月は常に一致する。
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