日台戦争という用語をめぐる論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:58 UTC 版)
「乙未戦争」の記事における「日台戦争という用語をめぐる論争」の解説
詳細は「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」」を参照 東アジア史という側面からみた研究として、「日台戦争」という語が一部で使われている。この語は1995年の「日清戦争百年国際シンポジウム」において檜山幸夫が最初に使用した。『日清戦争 秘蔵写真が明かす真実』によれば、日清戦争全体における日本軍の死者の半数を出したという規模の大きさ(実際には、戦死者164名、病死者4642名で、その大部分は赤痢、マラリア、脚気など風土や衛生状態、栄養状態などによる病死が大半で、戦闘による死者は3%あまりに過ぎない。)と、大本営の関与の仕方、戦闘の主体が清国軍ではなく台湾民主国及び自主的に組織された義勇兵に移ったことなどが主な理由としている。他に日台戦争の採用者には駒込武がいる。日台戦争のほか、台湾征服戦争、台湾領有戦争、台湾植民地戦争、抗日運動も存在するが、その内容や戦闘終了後100年以上も使用されたことがない名称であることなどから「日台戦争」と同様の異議が存在している。 NHKが2009年4月5日に放送したNHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」内でこの戦争について「日台戦争」の語を使用したところ、産経新聞は番組に出演した台湾人が批判したほか、この戦闘に参加した死者のほとんどは病死者であった事実を伝えていない点や、また国立国会図書館の論文検索で日台戦争という言葉は見つからず学説と呼べる代物なのかなどと批判した。また「日本李登輝友の会」の関係者は、平成に入って用いられた造語であり、「一部の大学教授が使っているが原典は戦争の定義もしておらず、治安回復のための掃討戦に過ぎない」と主張している。これらの批判に対し、NHKは檜山が1995年から用いている言葉であるから使用したと説明したが、番組に出演した台湾人、パイワン族や視聴者から集団訴訟を起こされる事態に発展した。
※この「日台戦争という用語をめぐる論争」の解説は、「乙未戦争」の解説の一部です。
「日台戦争という用語をめぐる論争」を含む「乙未戦争」の記事については、「乙未戦争」の概要を参照ください。
- 日台戦争という用語をめぐる論争のページへのリンク