既婚女子であることを理由とする解雇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 13:56 UTC 版)
「古河機械金属」の記事における「既婚女子であることを理由とする解雇」の解説
古河鉱業(現・古河機械金属)では、経営合理化のため間接部門の整理統合を行なうこととなり、その結果、男子職員5名、女子工員10名の余剰が出たので女子工員については既婚者を中心に退職を求めることとした。労働組合の了承を得て、女子について希望退職の募集を行ったところ、既婚者は裁判を提起した1名を除く全員7名、未婚者2名が退職願を提出した。退職願を提出しなかったこの1名は、1953年5月から同社に雇用され、機械事業部高崎工場に配属され業務に従事していたものであるが、同社は退職願を提出しない同人に対し、内容証明郵便により就業規則の「己むを得ない事業上の都合によるとき」に該当するとの理由で解雇する旨の意思表明をした。これに対し、解雇は合理的理由を欠き無効であることを理由に、雇用契約上の地位確認を求め提訴した。前橋地方裁判所は、人員整理は、諸条件を考慮して、最適の者として選ばれたのが既婚女子であったというのであるから合理的理由があると判断したが、これを不服として女子労働者が控訴したが、控訴は棄却された。その上告審では、以下のように判旨され、女子労働者の訴えは退けられた(古河鉱業の勝訴)。 「会社が経営改善のため、高崎工場において人員整理を行う必要に迫られていたとする原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認することができ、その過程にも所論の違法はない。」「原審の確定した事実及び記録上うかがわれる諸般の事情に徴すれば、上告人に対する本件解雇が経営合理化に籍口して既婚女子のみを排除するためのものであったとはいえないとした原審の認定判断は、是認することができないものではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。」
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