方面混成団
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方面混成団(ほうめんこんせいだん、英語: Army Combined Brigade)とは、新隊員(一般曹候補生・自衛官候補生)及び陸曹(陸曹候補生・上級陸曹)の共通教育を担任する教育団・教育連隊(方面直轄部隊)を母体に、同方面隊の師団・旅団隷下で運用されていたコア部隊を統合し、新たに方面直轄の団として編成したものである。 即応予備自衛官は民間人としての生活の傍ら訓練に従事するため、招集命令を受領してから実際に出動するまでのタイムラグを比較すると如何に即応性を高めた予備役とはいえ、現職隊員との格差は否めなかった。このため、作戦基本部隊である師団・旅団においてコア部隊を多数抱えることは、複雑多岐にわたる任務への対応に際しての支障が指摘されてきた(これは防衛庁の省移行に伴い以前は付加的任務であった自衛隊海外派遣が自衛隊法第3条の2に規定される本来任務に格上げされたことからも、求められる任務の複雑化を明白に読み取ることができる)。 そこでコア部隊の立ち上げと平時の教育訓練を教育部隊に移管し、有事には師団、旅団の常備自衛官のみによる部隊で即応体制をとることで、多様化する任務への即応性を強化したのである。陸上自衛隊では2006年3月の東北方面混成団を皮切りに順次方面混成団の整備を進めており、平成24年度末(2013年3月26日の西部方面混成団新編)をもって5個方面混成団体制の整備を完了した。指揮官である方面混成団長は1等陸佐(一)、副団長は1等陸佐(二)が充てられる。 なお、平成22年度に閣議決定・公開された防衛計画の大綱及び23中期防に基づき自衛隊法施行令の改正が行われ、この中で師団・旅団に隷属する普通科連隊数が最大「三」と規定されたことから隷下に普通科連隊を「四」保有する師団・旅団は、26中期防期間の平成29年度末をもってすべて方面混成団隷下へ移行した。 部隊一覧 内部編成等詳細は各記事を参照。 北部方面混成団 北部方面教育連隊を母体に冬季戦技教育隊を統合、第1陸曹教育隊を再編。コア部隊として第52普通科連隊、及び第3教育連隊の後身部隊として第120教育大隊を新編。2011年4月22日編成完結。 東北方面混成団 第1教育連隊を母体に第2陸曹教育隊、及びコア部隊として第6師団隷下の第38普通科連隊を編合。2006年3月編成完結。 東部方面混成団 第1教育団を母体に第3陸曹教育隊、及びコア部隊として第1師団隷下の第31普通科連隊を編合。2011年4月22日編成完結。2013年には第12旅団隷下の第48普通科連隊を編合。 中部方面混成団 第2教育団を母体に第4陸曹教育隊、及びコア部隊として第13旅団隷下の第47普通科連隊を編合。2008年3月編成完結。2014年には第10師団隷下の第49普通科連隊を編合。 西部方面混成団 第3教育団を母体に第5陸曹教育隊、及びコア部隊として第4師団隷下の第19普通科連隊を編合。2013年3月26日編成完結。2018年には第8師団隷下の第24普通科連隊を編合。
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