文化的行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:42 UTC 版)
幸島の個体群では、餌のサツマイモを海水で洗って食べる行動が報告されている。群れの他のものにもそれをまねするものが現れた。海水でサツマイモなどの砂を洗い落として塩味をつける「イモ洗い行動」、砂浜にまかれた麦粒を海中に投じて選別する「砂金採集行動」が関心を呼んだ。比較的若い個体がこうした行為を行い、成長しその個体と血縁関係がある個体を中心に同様の行動を行う傾向がある。一方でこうした行動が「模倣による伝搬」なのか「他の個体の行為を見て刺激を受け、試行錯誤し結果的に同じ行動を行う」のか慎重に検討すべきだとする意見もある。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}これらの行動はサルの文化的行動として注目を受け、動物にも文化を認める論の先駆けとなった。ちなみに、最初にイモ洗いを行った若いメスの名はイモと名付けられた。このエピソードは中学校の国語の教科書でも紹介された。こうした「餌を海水に浸す」文化は若いメスザルにより始まったものの、その伝播は序列に従い、まずは若いオスザル、次に年取ったメスザル、そして最後にボスザルが真似を始める。人間社会と同様、ボスは権威を維持するために、若いメスザルによって発祥した文化を容易に模倣することが出来ないといわれる[要出典]。 幸島のサルが魚を食べた事例は、1980年代以前に関しては餌として蒔かれたものが4回、浜に打ち上げられたものを取って食べたのが2回と記録されている。しかし生きている魚を捕まえて食べてはいない。
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