数と大きさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 08:12 UTC 版)
半数体ヒトゲノムは約30億塩基対からなり、体細胞は2倍体であるため約60億塩基対のDNAを核内に持っている。分裂酵母では3本の染色体DNA上に、大腸菌やミトコンドリアでは一つの環状DNA上に保持されている。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のようなレトロウイルスではRNAが媒体になる。 遺伝子数とゲノムサイズは必ずしも比例しない。両生類や植物のユリのゲノムサイズは大きく、昆虫やトラフグではゲノムサイズが小さい。これはイントロンや遺伝子間のジャンクDNAの長さが原因である。例としてミジンコの方がヒトよりゲノムサイズは小さいが遺伝子数は多い。また原核生物は真核生物よりゲノムに占めるコーディング領域の割合が高い傾向があり、遺伝子がゲノムにコンパクトに収まっている。 それからゲノムサイズが大きくなると大量の情報を保存できるが複製に使うエネルギーが増え生存に不利に働くため、一定のゲノムの大きさで自然選択圧が掛かる。また原核生物より真核生物の方が複雑で必要な情報量が多い傾向があり、一般に真核生物ではスプライシングによってイントロンが抜けエクソンのコーディング領域が翻訳されるため、原核生物に比較して真核生物はゲノムサイズが大きくなる傾向がある。
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