攻勢における戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:15 UTC 版)
「2021年ターリバーン攻勢」の記事における「攻勢における戦略」の解説
タリバンは状況を徹底して合理的に利用することで攻勢を強めた。 アフガニスタン空軍に対しては、アフガニスタン空軍の221機の整備難と乗務員の維持難を利用し、意図的にパイロットを標的に攻撃した。アフガニスタン治安部隊からはアメリカがアフガニスタン軍に提供した米軍ハンヴィー(高機動多用途装輪車両)、暗視スコープ、機関銃、迫撃砲、銃弾といった武器や備品を奪うことで武装を強化した。また、ソ連侵攻後のアフガニスタンに大量に残されていた武器を利用した。更にタリバンは即席爆発装置(IED)によって米軍に多大な被害をもたらしている。 タリバンは地勢も活用し、タリバンが伝統的に強い南部拠点ではなく、北部、西部に注力し、それを基軸に各地の州都を次々と制圧し、複数の国境の要衝や検問所を押さえ、資金難の政府にとって不可欠な関税収入を徴収した。また、タリバンは政府幹部や人権活動家、ジャーナリストなどに狙いを定めた殺害作戦を激化させた。 英国際戦略研究所の上級研究員ベン・バリーは、アフガニスタンの特殊部隊は約1万人と少数であり、これに対しタリバンは戦場での勢いがタリバンの士気を高め、一体感も高めていると判断している。そしてアフガニスタン政府が米軍に長らく依存していたために弱体化していたことや、軍の兵士が任務を放棄するアフガンの腐敗体質や士気の低さが政府軍の敗因とされている。
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