支出面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 21:14 UTC 版)
国内には家計、企業、政府の三種類の経済部門があり、それとは別に外国という経済部門がある。 また財・サービスの市場、要素市場、金融市場の三種類の市場がある。 企業が自身の(中間ないし最終)財・サービスを作るために別の企業から買い取る財・サービスを中間財・サービスといい、それ以外の財・サービスを最終財・サービスという。 財・サービスの市場は企業および外国が自身の最終財・サービスを売るための市場で、各経済部門はこの市場から財・サービスを買い取る。 中間財・サービスは、別の(中間ないし最終)財・サービスを作るための要素として使われるので、「二重カウント」を避けるため、国内総生産には企業が中間財・サービスを売ることで得た金は含まれない。 企業によって生産された最終財・サービスは、誰かが自身のお金を支出して買い取るか、あるいは生産した企業が在庫として抱え込む。在庫は「将来売る為の商品」であるから、企業の将来への投資支出の一種とみなせる。従って生産された最終財・サービスは最終的に誰かの支出となる。企業による支出は投資支出と呼ばれ、Iで表される。家計による支出は消費支出と呼ばれ、Cで表される。また政府による支出はGで表される。 輸出入がない場合、GDPを国内で一定期間の間に最終財・サービスに対して行われた支出の総額ともみなせ、次が成立する事がわかる: GDP = C + I + G 輸出入がある場合、国内総生産額であるGDPのうち、輸出額X分だけ海外へと漏れ出る。 また国内の総支出C+I+Gの一部は輸入に使われたものである。 従って輸入額をIMとすると、以上の議論より、次が成立する事がわかる: GDP = C + I + G + X - IM 要素市場および金融市場は国内総生産を定義する際直接的には使用しないが、モデルの全体像を捕らえ易くするため、説明する。要素市場は企業が労働、土地、資本(=機械や建物)、および人的資本といった生産要素を家計から購入するための市場で、生産要素に対する対価として賃金、利潤、利子、賃貸料などの形で企業から家計に金が流れ込む。 最後に金融市場は銀行取引、株式市場、および債券市場などの総称で、金融市場には家計から民間貯蓄が流れ込み、外国からは外国貸付や株式購入により金が流れ込む。 企業は企業による借入や株式発行により、金融市場から資金を調達し、政府は政府借入により金融市場から資金を調達する。そして外国は外国借入や株式売却により金融市場から資金を調達する。
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