探偵物語 (赤川次郎)
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探偵物語 | ||
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著者 | 赤川次郎 | |
発行日 | 1984年4月1日(文庫本) | |
発行元 | 角川文庫 | |
国 | ![]() |
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言語 | 日本語 | |
コード | ISBN 978-4-04-149720-3(文庫本) | |
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『探偵物語』(たんていものがたり)は、赤川次郎の小説。
この小説を原作として1983年に公開された日本映画と、1984年にTBS系列で放送されたテレビドラマ、2018年にテレビ朝日で放送予定のテレビドラマについても述べる。
目次
映画
探偵物語 | |
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監督 | 根岸吉太郎 |
脚本 | 鎌田敏夫 |
原作 | 赤川次郎 |
製作 | 角川春樹 |
出演者 | 薬師丸ひろ子 松田優作 |
音楽 | 加藤和彦 |
主題歌 | 薬師丸ひろ子「探偵物語」 |
撮影 | 仙元誠三 |
編集 | 鈴木晄 |
製作会社 | 角川春樹事務所 |
配給 | 東映 |
公開 | ![]() |
上映時間 | 111分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 51億円 |
配給収入 | 28億円 |
薬師丸ひろ子の主演映画第3作。アイドル絶頂期に大学受験で休業していた薬師丸の復帰作である。相手役である松田優作との身長差30センチや、当時の清純派アイドル女優としては極めて異例であるディープキスシーンなどで話題を呼んだ[1]。
なお、松田主演の日本テレビのドラマ『探偵物語』(小鷹信光原案)とは別の作品である。
併映は『時をかける少女』。28億円の配給収入は1983年の邦画で2位となった[2]。興行収入は51億円[3]。
ストーリー
お嬢様女子大生の直美とボディガード兼監視役の私立探偵・辻山が殺人事件に巻き込まれ…探偵ゴッコから、やがて淡いラブストーリーへ。
キャスト
- 新井直美
- 演 - 薬師丸ひろ子
- 裕福な家庭の女子大生。母親はおらず、父親は仕事の都合で単身アメリカで暮らす。好奇心旺盛で、度胸があり少々のことには動じない性格。行動派で、思い立ったら即動くタイプ。1週間後に大学を休学してアメリカで暮らす予定だが、後に起こる事件に自ら首を突っ込む。
- 辻山秀一
- 演 - 松田優作
- 赤川探偵社の探偵。上司からの指示で直美の尾行とボディガードの依頼を受ける。バツイチで独身。冷静で寡黙な性格でどちらかと言うと慎重派。ただし行動的な直美のペースにつられて、勢いに流されることもしばしば。元妻・幸子が殺人の容疑で指名手配され、彼女の無実を信じて直美と共に真犯人を探す。
直美の主な関係者
- 長谷沼君江
- 演 - 岸田今日子
- 直美の家のお手伝いさん。直美のことを「お嬢様」と呼んで丁寧な物腰で接するが、時には母親代わりに直美に意見することもある。直美によると直美の父に好意を寄せているとのこと。
- 永井裕
- 演 - 北詰友樹
- 直美が所属するサークルの先輩。オートバイに乗れる。直美がアメリカに行ったまま帰らないかもしれないと知って、送別会代わりにデートに誘う。恋人の存在を隠して直美とデートするなど女好き。
- 進藤正子
- 演 - 坂上味和
- 永井の彼女。ただし当初永井は、直美にはただのゼミの同級生と言っていた。永井の部屋を訪れては部屋の掃除などの家事をしている。手っ取り早くお金を稼ぐために夜間のバイトをしている。
秀一の主な関係者
- 直木幸子(なおきさちこ)
- 演 - 秋川リサ
- 秀一の元妻。29歳。ナイトクラブのクラブ歌手。秀一と離婚後に和也と愛人関係になる。秀一とは別れたものの会えば普通に会話する仲で、和也の死後に秀一への恋心が再燃する。
- 国崎三千代
- 演 - 中村晃子
- 和也の妻。生前和也が自身のことをほったらかしにしていて夫婦の営みに不満があり、いつからか岡野と体の関係を持つ。和也の葬儀ではショックで倒れこむが、退席した直後に岡野に抱かれるなどしたたかな女性。
- 国崎和也
- 演 - 鹿内孝
- 幸子が働くナイトクラブのオーナー。剛造の息子。作中の事件の被害者。妻がいるが幸子と愛人関係。何者かによってナイフで殺される。
組の人たち
- 岡野
- 演 - 財津一郎
- 暴力団員のまとめ役。和也殺しの容疑がかかった幸子が失踪したため、手下とともに居場所を突き止めようとする。秀一や直美が幸子を匿っていると知り、手荒いやり方で追い詰める。
- 和田
- 演 - ストロング金剛
- 暴力団員。岡野の手下。力が強く行動が荒々しい。ただし、手下の組員が直美に向けて銃を発砲した時は、「街なかで撃つな!」と叱っている。
- 佐藤
- 演 - 山西道広
- 暴力団員。岡野の手下。幸子の居場所を聞き出すため、秀一が勤める赤川探偵社の事務員の女性を脅す。
- 国崎剛造
- 演 - 藤田進
- 和也の父で暴力団の組長。年は取っているが岡野も恐れる威厳のある人物。和也を殺した犯人を岡野たちに探させる。
その他
- 赤川晶
- 演 - 荒井注
- 赤川探偵社の代表。秀一の上司。秀一の居場所を聞きに来た岡野たちに脅される。
- 高峰刑事
- 演 - 蟹江敬三
- 殺人の容疑で指名手配された幸子と犯人隠匿罪の罪で秀一を逮捕する。
- ラブホテルのマネージャー
- 演 - 三谷昇
- 和也が殺されたラブホテルのフロントで働く。ホテルに暴力団員たちが来たため、警察に通報する。
- 警官
- 演 - 林家木久蔵
- 直美が秀一と初めて会った時にトラブルになったため、交番で二人に事情を聞く。
- アパートの住人
- 演 - 榎木兵衛
- 秀一が住むアパートの隣の部屋の住人。秀一たちがアパートに貼り込んだ岡野から逃げるために手助けとなる。
- 直美を誘う男
- 演 - 加藤善博
- 33歳で秀一と同世代の男性。ディスコで一人でいた直美を口説いて外に連れ出し、ラブホテルに誘う。
- 若い男
- 演 - 清水昭博
- 黒背広の男
- 演 - 草薙良一、清水宏、庄司三郎、檀喧太、南雲佑介
- その他
- 演 - 大川陽子、桑田和美、太田真由美、高山成夫、斉藤建夫、島貫晃、若狭広海、西村英子、飯島大介、昌子英理奈、吉田功
スタッフ
- 製作 - 角川春樹
- 監督 - 根岸吉太郎
- 脚本 - 鎌田敏夫
- 原作 - 赤川次郎
- プロデューサー - 黒澤満、長谷川安弘、紫垣達郎
- 撮影 - 仙元誠三
- 照明 - 渡辺三雄
- 美術 - 徳田博
- 録音 - 橋本文雄
- 編集 - 鈴木晄
- 助監督 - 一倉治雄
- 音楽 - 加藤和彦(編曲:清水信之、音楽プロデューサー:高桑忠男、石川光)
- 主題歌 - 薬師丸ひろ子「探偵物語」(作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一、編曲:井上鑑)
- 挿入歌
- パトリシア「OH BOY!」(作詞:クリスモスデル、作曲:加藤和彦、編曲:清水信之)
- 秋川リサ「そうよMambo」(作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦、編曲:清水信之)
- 音響効果 - 小島良雄(東洋音響)
- 現像 - 東映化学
- 製作協力 - セントラル・アーツ、ディレクターズ・カンパニー
- 配給 - 東映
- 製作 - 角川春樹事務所
ロケ地
プロモーション
前作『セーラー服と機関銃』で人が集まり過ぎて上映中止になったことを踏まえ、多くの人が集まっても問題の起こらない野球場を使用して『探偵物語』のキャンペーンを実施した[4]。薬師丸率いる野球チームのヒロコーズが草野球をし、持ち歌3曲を披露するミニ・コンサートも行われた[4]。背番号8940(やくしまる)をつけた薬師丸は1イニング限定で投手として守り、順不同でバッターボックスにも立った[5]。全国7箇所で行われた試合の相手チームはジャパンアクションクラブ(後楽園球場)、吉本興業チーム(大阪)、西鉄ライオンズOB(福岡)、地元マスコミ・チーム(名古屋)など[4][5]。
受賞歴
- 第1回ゴールデングロス賞優秀銀賞、マネーメイキングスター賞
関連商品
Blu-ray / DVD
下記以外にも、松田優作DVD-BOX等に収録されている。
- 探偵物語(DVD)(2000年12月22日、角川エンタテインメント、KABD-88)
- 探偵物語 Blu-ray(Blu-ray Disc)(2009年10月23日[6]、角川エンタテインメント、DAXA-1129)
- 探偵物語 デジタル・リマスター版(DVD)(2009年10月23日[6]、角川エンタテインメント、DABA-0647)
- 探偵物語 ブルーレイ(Blu-ray Disc)(2012年9月28日[7]、角川映画、DAXA-4273)
- 探偵物語 角川映画 THE BEST(DVD)(2016年1月29日[8]、KADOKAWA、DABA-91111)
サウンドトラック
『探偵物語 オリジナル・サウンドトラック』 | |||||
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加藤和彦 / 薬師丸ひろ子 の サウンドトラック | |||||
リリース | |||||
録音 | 1983年 | ||||
ジャンル | 映画音楽 | ||||
時間 | |||||
レーベル | EASTWORLD / 東芝EMI | ||||
加藤和彦 / 薬師丸ひろ子 年表 | |||||
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『探偵物語 オリジナル・サウンドトラック』収録のシングル | |||||
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加藤和彦 年表 | |||||
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薬師丸ひろ子が歌う主題歌を除く音楽は、加藤和彦が手がけた。サウンドトラックは1983年7月16日に東芝EMIより発売された。
- 収録曲
全編曲: 清水信之(特記除く)。 | |||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「序章」 | 加藤和彦 | |||
2. | 「愛のテーマ」 | 加藤和彦 | |||
3. | 「すこしだけやさしく」(薬師丸ひろ子) | 松本隆 | 大瀧詠一 | 井上鑑 | |
4. | 「ディテクティヴ・ツイスト」 | 加藤和彦 | |||
5. | 「OH BOY!」(パトリシア) | Chris Mosdell | 加藤和彦 | ||
6. | 「今宵、愛が…」 | 加藤和彦 | |||
7. | 「探偵物語」(薬師丸ひろ子) | 松本隆 | 大瀧詠一 | 井上鑑 | |
8. | 「チェイス」 | 加藤和彦 | |||
9. | 「そうよ Mambo」(秋川リサ) | 安井かずみ | 加藤和彦 | ||
10. | 「昼さがりの私」 | 加藤和彦 | |||
11. | 「Tan-tei ラプソディ」 | 加藤和彦 | |||
12. | 「フェアウェル:エピローグ」 | 加藤和彦 | |||
合計時間:
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書籍
- 『探偵物語 カドカワフィルムストーリー』(角川文庫 / 1984年11月発行 / ISBN 4041595045)
- 映画のストーリーをスチル写真により再現した文庫。
備考
テレビドラマ
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ドラマ |
1984年版
探偵物語 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
放送時間 | 日曜日20:00 - 20:54(54分) |
放送期間 | 1984年1月8日 - 1月29日(4回) |
放送国 | ![]() |
制作局 | TBS |
演出 | 高橋伴明 |
原作 | 赤川次郎 |
脚本 | 中村勝行 |
出演者 | 渡辺典子 柄本明 馬渕晴子 風祭ゆき |
1984年1月8日から1月29日までTBS系列の「日曜ファミリードラマ」枠で毎週日曜日20:00 - 20:54(JST)に放送された日本のテレビドラマ。全4話。主演は渡辺典子。
キャスト (1984年版)
スタッフ (1984年版)
- 原作 - 赤川次郎
- 企画協力 - 角川春樹事務所
- 脚本 - 中村勝行
- 音楽 - 佐藤勝
- 主題歌 - 渡辺典子「花の色」(作詞:三浦徳子、作曲:財津和夫、編曲:大谷和夫)
- 演出 - 高橋伴明
- 製作 - シネポスト アソシエイツ、TBS
2018年版
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この節には放送開始前の番組に関する記述があるため、方針に従い独自研究の予測などは載せず、出典に基づいて正確な記述を心がけてください。(2018年2月) |
探偵物語 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
放送時間 | 日曜日21:00 - 23:05(125分) |
放送期間 | 2018年4月(予定)(1回) |
放送国 | ![]() |
制作局 | テレビ朝日 |
演出 | 筧昌也 |
原作 | 赤川次郎 |
脚本 | 黒岩勉 |
出演者 | 斎藤工 二階堂ふみ 夏木マリ 吹越満 |
外部リンク | 公式サイト |
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ドラマ |
2018年4月8日、テレビ朝日の「日曜プライム」枠(日曜日21:00 - 23:05、JST)の第1弾作品として放送される予定の日本のテレビドラマ。主演は斎藤工と二階堂ふみ[11]。
キャスト (2018年版)
- 辻山秀一 - 斎藤工
- 新井直美 - 二階堂ふみ
- 長谷沼君江 - 夏木マリ
- 高峰清人 - 吹越満
- 岡野祐司 - 正名僕蔵
- 本宮幸子 - 長谷川京子
- 国崎成道 - 國村隼
- 門倉正志 - 庄野崎謙
- 三好斗真 - 稲葉友
- 大津智子 - 山本亜依
- 柴木敦 - 鈴木貴之
- 前田三千代 - 山下容莉枝
- 平本茂 - 大河内浩
スタッフ (2018年版)
- 原作 - 赤川次郎
- 脚本 - 黒岩勉
- ゼネラルプロデューサー - 横地郁英
- プロデューサー - 遠田孝一(MMJ)、浅井千瑞(MMJ)、中西研二(MMJ)
- 演出 - 筧昌也
- 主題歌 - 安藤裕子「探偵物語」[12]
- 制作 - テレビ朝日、MMJ
脚注
- ^ “熟女にアイドルに大モテ松田優作 - 松田優作 過去ニュース : nikkansports.com” (1983年2月11日). 2014年10月15日閲覧。
- ^ 1983年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ “「フラガール」受賞にホッ…アカデミー賞の権威保った”. Zakzak. (2007年2月19日). オリジナルの2017年8月29日時点によるアーカイブ。 2017年8月29日閲覧。
- ^ a b c “時代を彩った「角川映画」とは何だったのか? (3ページ)”. 東洋経済オンライン (2016年7月30日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b “時代を彩った「角川映画」とは何だったのか?(4ページ)”. 東洋経済オンライン (2016年7月30日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b “没後20年記念で、松田優作の映画4作品がBlu-ray化 - AV Watch” (2009年8月18日). 2016年8月15日閲覧。
- ^ “「戦国自衛隊」や「七日間戦争」など角川映画20本BD化 - AV Watch” (2012年7月6日). 2014年11月4日閲覧。
- ^ “角川映画40周年記念、「犬神家」「セーラー服」など30タイトルの廉価版DVD発売 - 映画ナタリー” (2016年1月28日). 2016年8月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m “【CD】探偵物語 オリジナル・サウンドトラック<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2018年3月4日閲覧。
- ^ 中川右介 「第七章 頂点-1983年」『角川映画 1976-1986 日本を変えた10年』 角川書店、188頁。ISBN 4-047-31905-8。
- ^ “探偵物語:テレビドラマとして34年ぶりに映像化 斎藤工、二階堂ふみが主演”. まんたんウェブ (2018年2月23日). 2018年2月23日閲覧。
- ^ “安藤裕子が薬師丸ひろ子のヒット曲をカバー、ドラマ「探偵物語」の主題歌に”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2018年3月23日) 2018年3月23日閲覧。
外部リンク
- 探偵物語 : 角川映画 - KADOKAWAの紹介ページ
- 探偵物語(映画) - allcinema
- 探偵物語(映画) - KINENOTE
- 探偵物語(映画) - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- 探偵物語(映画) - Movie Walker
- 探偵物語(映画) - 映画.com
- 探偵物語のチラシ - ぴあ
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