採用説明会における外国人参加排除問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 13:57 UTC 版)
「吉野家」の記事における「採用説明会における外国人参加排除問題」の解説
2022年5月、就職活動をしていた日本国籍の大学生が𠮷野家の採用説明会の参加予約を行ったところ、採用担当者が国籍の確認作業を怠り、当該学生を外国籍と勝手に判断したうえで「就労ビザの取得が非常に困難」と説明して、当該学生の採用説明会参加予約を取り消した旨のメールを送信した。このことが当該学生によりTwitterに投稿されて拡散し、𠮷野家の対応に批判が集まった。𠮷野家は採用サイトに「組織の活性化を目的に、外国籍社員の積極的な登用を続けています」と明記してしており、今回の対応に関して採用サイトの記載との齟齬が指摘されるほか、厚生労働省による「外国籍であることのみを理由に、企業などが採用面接などの応募を拒否することは、公正な採用選考の観点から適切ではない」との指針からも逸脱した対応が問題になっている。 𠮷野家の広報担当者は今回の事例に関しては「国籍については、いつもは確認を取っていますが、今回は、漏れてしまっていました。なぜ確認を取らなかったかの理由については、現時点では分かっていません。参加申込情報から外国籍と思われる方へは本来、先ず連絡をすべきところ、連絡の過程において不備がございました」と不手際を認めた上で、「外国人の就労ビザの取得は非常に困難であり、内定取り消しをせざるを得なくなったことが一定程度ございました。ビザの取得をできず内定を取り消された方の心象を慮るあまり、外国籍の方は新卒の会社説明会のご応募をいただいても参加をやむなくお断りしておりました」と外国籍の説明会参加取消となった事例を挙げたうえで釈明している。その後、5月9日に𠮷野家ホールディングスは、今後は採用説明会の参加希望者へ事前に国籍を確認することをやめて全員が参加できるものとし、内定後に就労ビザを取得できないリスクについては説明会で周知する運用に改めた。 日本経済団体連合会(経団連)会長の十倉雅和は5月9日の定例記者会見において、「人権や多様性は世界の常識。そういうことが起きたのは残念。就労ビザが取れなければ就職させられないが、それは面接の時に説明すればいいこと」とコメントし、𠮷野家の対応を批判した。
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