内定取り消し
内定取り消し
内定取り消し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 02:44 UTC 版)
内定取り消し(ないていとりけし)は、企業が求職者(特に新卒者の場合に問題となる)に対して内定を出して採用を約束したにもかかわらず、諸事情により企業がこれを破棄するということをいう。
主に企業側の事情によるもの(経営破綻などによる会社組織の消滅や大幅な事業縮小など)と、求職者側の事情によるもの(内定者が大学や専門学校などを卒業できなかった場合や、不祥事、経歴詐称等が発覚した場合など)とがある。
- 内定取り消しの法的性質については、内定#法的な解釈を参照。
日本の事例
急激な景気の後退等で、多くの企業の業績が短期間で一斉に悪化した時には際立って内定取り消し件数が多くなり、戦後では第1次オイルショック(1973年-1974年)、バブル崩壊(1992年-1993年)、1990年代後半の金融不安(1997年-1999年)、世界金融危機(2008年-2009年)、東日本大震災(2011年)、新型コロナウイルス感染症の世界的流行(2020年)といった時期に内定取り消しが激増し社会問題となった。
リーマン・ショック
2008年のリーマン・ショック以降世界的な恐慌が訪れると共に、数多くの企業は内定取り消しを実施した。そのとき大学側は内定取り消しに遭った学生に対して翌年以降も新卒の肩書きで就職活動できるために卒業要件を満たしている卒業予定者に対しても希望するならば留年を認めるという異例の措置をとった。その後これが定着し希望留年制度などと名づけられ数多くの大学が制度としている[1][2]。
- テレビ番組
- 日経スペシャル ガイアの夜明け 内定切りに負けるな!~不況に翻弄される若者雇用の実態~(2009年5月26日、テレビ東京)[3]。- 就職戦線の最前線を取材。
試用期間切り
リーマン・ショック以後、試用期間切り(事実上の内定切り)が多発した[4]。内定切りが社会的に批判を浴び、厚生労働省がホームページでいくつかの企業名を公表したことなどがあったため、内定切りとはならないよう、一旦採用してから試用期間切りをするようになったからである[5]。
東日本大震災
東日本大震災以降、数多くの企業の経営に悪化が生じると共に従業員を雇う余裕すらなくなり、内定取り消しが多発している。2011年4月現在、200人以上が震災の影響で内定取り消しになっていると報道されている[6]。
新型コロナウイルス感染症の流行
厚生労働省は2020年9月に、2020年春に卒業して就職予定だった人の中で内定を取り消された人が8月末時点で174人と前年の約5倍に上ったことを発表した。新型コロナウイルス感染症の流行により景気が悪化したことが影響したとされ、業界別の内訳では旅行業などの「生活関連サービス・娯楽」業や「卸売・小売」業など感染症の流行の影響を受けた業界の内定取り消しが約5割だった[7]。
脚注
- ^ 内定を取り消された学生に対する大学の新たなサポート (大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】)
- ^ 「希望留年制度」って、何の制度? - 今日の知識 - 日経トレンディネット
- ^ 内定切りに負けるな!~不況に翻弄される若者雇用の実態~ - テレビ東京 2009年5月26日
- ^ 田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』東洋経済新報社、2009年、131-132頁。
- ^ 田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』東洋経済新報社、2009年、132頁。
- ^ asahi.com(朝日新聞社):震災原因の内定取り消し、218人 厚労省発表
- ^ “今春卒、内定取り消し5倍 コロナ禍で9年ぶり高水準:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2020年9月24日閲覧。
内定取り消し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:44 UTC 版)
不動産関係の分野を中心に、業績が急激に悪化した事を受けて、2009年春卒業の学生の就職内定を取り消す事例がしばしば報道された。いくばくかの補償金を支払う企業もあるが、しばしば内定取り消しを通知する書類一枚が送りつけられるだけの事例が伝えられた。また、就職前に不安に思った学生が企業に問い合わせても「大丈夫」と言われつづけ、突然に取り消しを通知された事例、内定式を済ませたり、業務に必要な資格を受験する様に指示した後に突然通知される事例も報じられた。
※この「内定取り消し」の解説は、「第14循環」の解説の一部です。
「内定取り消し」を含む「第14循環」の記事については、「第14循環」の概要を参照ください。
「内定取り消し」の例文・使い方・用例・文例
内定取り消しと同じ種類の言葉
- 内定取り消しのページへのリンク