採用者のカテゴリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:01 UTC 版)
ロジャースは革新性に基づき、社会システム内の個人を分析・分類した成果が認められている。アイデアが普及・拡散する過程の採用者を標準的な5カテゴリに分け、これら採用者の数を時間軸にわたってプロットすると累積度数分布の曲線がSカーブとなることを発見した 。各カテゴリは採用順に「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」と呼ばれている。 イノベーター(Innovators:革新者) 新しいアイデアや技術を最初に採用するグループ。リスクを取り、年齢が若く、社会階級が高く、経済的に豊かで、社交的、科学的な情報源に近く、他のイノベーターとも交流する。リスク許容度が高いため、のちに普及しないアイデアを採用することもある。全体の2.5%。 アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者) 採用時期が2番手のグループ。オピニオンリーダーとも言われ、他のカテゴリと比較すると周囲に対する影響度が最も高い。年齢は比較的若く、社会階級は比較的高い。経済的に豊かで、教育水準は高く、社交性も高い。イノベーターよりも取捨選択を賢明に行い、オピニオンリーダーとしての地位を維持する。全体の13.5%。 アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者) このカテゴリの人は一定の時間が経ってからアイデアの採用を行う。社会階級は平均的で、アーリーアダプターとの接点も平均的に持つ。全体の34.0%。 レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者) このカテゴリにいる人は、平均的な人が採用した後にアイデアを採用する。イノベーションが半ば普及していても懐疑的に見ている。社会階級は平均未満で、経済的な見通しは低く、社会的な影響力は低い。全体の34.0%。 ラガード(Laggards:遅滞者) 最も後期の採用者。他のカテゴリと比較すると社会的な影響力は極めて低い。変化を嫌い、高齢で、伝統を好み、社会階級も低く、身内や友人とのみ交流する傾向にある。中には、最後まで流行不採用を貫く者もいる。全体の16.0%。
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