抗生物質薬市場衰退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:31 UTC 版)
シオノギは、医療用医薬品市場の重点疾患領域として、感染症領域、がん性疼痛緩和領域、そして循環器領域を主力としていた。 一方で、感染症治療薬の使用量は1980年代に入ると、抗菌薬濫用による薬剤耐性菌に対する懸念から横ばい状態となり、1990年以降大幅に減少した。それに伴い、抗生物質依存度の高かったシオノギの業績は急激に落ち込んだ。それを救ったのが、クレストールである。 クレストールは1991年にシオノギで創製後、1998年にアストラゼネカが開発を引き継いだ、HMG-CoA還元酵素阻害剤(脂質異常症治療薬)である。日本での承認は2005年であり、2009年10月では、100か国以上で承認及び80か国以上で販売されている。シオノギに入る特許料も大きく、同社は2010年以降業績を大きく持ち直した。 シオノギと医療用麻薬とのつながりは、麻薬生産者協会5社のうちの一社として、1948年に、モルヒネなどオピオイドの製造販売を開始したことに始まる。1989年には「WHO方式がん疼痛治療法」で必要な、MSコンチン錠(モルヒネ徐放錠)を発売。2003年には、オキシコンチン錠(オキシコドン徐放錠)、さらに2007年には、オキノーム散(オキシコドン散剤)を発売する。MSコンチン錠とオキシコドン各製剤は、共に「がん性疼痛治療薬」として、基本となる薬剤(成分および剤型)である。
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