投射方法による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 04:25 UTC 版)
「ショット・ブラスト」の記事における「投射方法による分類」の解説
機械式 主にインペラーと呼ばれる耐磨耗合金製の羽根車の遠心力により投射材を投射し、コントロールゲージと呼ばれるもので投射角度を決めて投射する手法であり、ショットブラストといえばほぼこの手法をいう。比較的広範囲に大量の投射材を投射できるため大物の処理や大量のワークの連続処理に向いている。主な適応例として鋳物などの砂落し、金属熱処理後の酸化膜スケールの除去、ショットピーニング等。 空気式 圧縮空気により投射材を投射する手法でありエアーブラストと呼ばれる、また特に砂を投射材に用いるものをサンドブラストと呼ぶこともある。主に空気流の負圧により投射材を気流に乗せる吸引式と圧縮空気に直接投射材を混合して噴射する直圧式に大別できる。機械式に比べ大量の投射材を広範囲に投射することはできないが、投射条件を細かく設定することができる、より細かい粒子を投射材に使用することができる(~数μm)、投射エネルギーを大きくすることができるなどの利点がある。また、噴射ノズルをマニピュレーター等の先端につけることによりパイプ状の内面や複雑な形状のワークの処理の自動化も行える。主な適応例としてバリ取り、表面研削、模様付け、ショットピーニング等があり、家庭でも使用可能な小型装置も販売されている。 湿式 主に水に投射材を混合噴射して加工を行う(ウエットブラスト)。上記の乾式は発生する粉塵対策のため集塵機が必須であり粉塵爆発の危険性も潜在的に存在するが、この手法の場合はその心配がない。また、乾式では投射材の飛散防止のためキャビネット内で作業が行われるが、この手法に関しては必要としない場合もある。 従来ワークの錆発生や水処理の問題から適用例は少なかったが、ショットブラストは粉塵爆発の危険性が高い事、脱脂のためアルカリ溶液を使用し環境に対する問題が近年懸念されることから、自動車メーカー、防振ゴム系大手、プリント基板系、超硬チップ系企業等で採用され始めている。(湿式ブラストはショットブラストと異なり油分や水分を取り除かなくても良く、ワークが濡れている間は錆びないので、加工上薬液や水などでワークが濡れている場にはこの方が効率が良い。)
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